オバマ大統領就任現地ルポ

2009年01月16日

1月16日(金) ニューヨーク

ジャーナリスト 津山恵子


黒人初のオバマ大統領就任式まであと5日。
いよいよ、オバマ=大統領、という雰囲気が盛り上がってきた。
まず15日付デイリー・ニューズの1面。真剣な表情のオバマの写真が掲載され、太字で「大公開!」とある。

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連邦政府関係のビルに額に入れて掛けられるオバマの写真が公開されたのだ。
第1印象は「かなりシリアス」。なぜかというと、ブッシュの現在の公式写真のように、にかっと笑っていないからだ。笑っている場合ではないからだろう。
アメリカ国旗を背景に、瞳に決意のこもった表情だが、口元はややリラックスしている。迷走する大型客船の舵を取ろうとする船長の決意と、アメリカ国民という無数の部下から信頼を得ようとする意志が感じられる、力強い写真だ。
同紙の記事によると、カメラマンは4時間セッティングに時間をかけ、オバマの撮影時間はたった5分。「これでどうか」という確認に対し、オバマはデジカメの画面をほとんど見なかったとか。
しかし!私の個人的な印象はかなり異なる。
どう見ても大統領にみえない。マンハッタンの雑貨屋でレジを打っている優しい「あんちゃん」という感じだ。
この第1印象は、2年前の集会で初めて彼を間近にみたときと変わっていない。
一昨年の9月下旬、ニューヨークのワシントン・スクエアの集会で、かぶりつきでオバマを初めて見た。

20090116_2.jpg
細くて華奢、若くてはじけた感じ、貫禄なし。バスケットボールの選手か、あるいは、小さな都市の市長選挙候補者といった感じ。えー、この人が大統領になるの??  アメリカ大統領のイメージ=髪は白く、表情は険しく、多少肉付きはよく、威厳たっぷり・・・をすべてくつがえしていたのがオバマだ。
この風貌が、大統領に就任してから、どう変化していくのか楽しみだ。

このほか、近所の人の話では、チャック・シューマー上院議員(ニューヨーク選出)が事務所で、就任式チケットを100枚配ったそうだ。早い者勝ちということだが、実は昨日(15日)はこの冬、一番の冷え込みで朝は零下10度だった。並ぶ価値はあるか?近所のおっちゃんは迷わず言った。
「チケットは売ったら何十万円にもなる。時給にしたら、並んでもいいんじゃない」

本日、16日は、就任式取材を乗り切るための買い物に出かけた。
まず、シャーペンを久しぶりに買った。先日、零下の中、高校受験を取材した際、ボールペンは書けなくなったからだ。
防寒具も重要だ。買い物に出た正午ごろ、マンハッタンは零下11度。就任式の20日はワシントンの最高気温が零下1度、最低が零下8度の予報だ。使い捨てカイロ、ウールの靴下を購入。オバマ一家も使い捨てカイロは使うのだろうか?
毎日広い野外で数時間イベントを待つことになるため、電池の持ち時間が短いiPhoneを、乾電池でチャージできるポータブル・チャージャー。
手袋をはめていてもすぐにコートのポケットから取り出せるように、通常使っているリポーター・ノートの半分の大きさのノート。栄養ドリンク、飴。

就任式の取材に行くというと、みなが「あー、うらやましい。歴史に残る(historic)な就任式だもんね」と言う。一体どこが歴史的になるのか。私の中で、オバマが「あんちゃん」から「大統領」に変わってくれることを期待しながら、買い物を終えた。



20090116_3.jpg
このときは30度の暑さだったが、今回は零下。人々の服装もかなり異なるだろう。


朝日新聞出版から新刊、「オバマの真実」が発売されました。

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