オバマ大統領就任現地ルポ

2009年01月21日

1月20日(火) ワシントン・ナショナルモール (前半)

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18日に宿泊したシェラトン・ホテルではオバマ本を記念にくれた


ジャーナリスト 津山恵子


新聞の見出しは「オバマの日」となっていた。

しかし、今日はみんなの日だ。

特に、零下7度の寒さに長時間耐え、その後さらに数時間歩くことを強いられた200万人の、400万本の健脚がなければ、「オバマの日」は惨めな結果になるはずだった。

朝4時半、チャーターしたタクシーを待った。

前日電話をすると、

「相乗りで4人集まれば、一人25ドルで、就任式会場まで送り届ける」

と言われた。ホテルは、会場があるワシントン中心地から北に40キロ離れたメリーランド州ローレルにある。中心地はどこも満室で予約が取れなかったのだ。

取材で駆け回っていて、ホテルで3人も集める暇はない。

「100ドル出すから、連れて行って」

「OK,OK」

しかし、見事に裏切られた。タクシーは姿を見せなかった。

ホテルのロビーで、プランBを考える。停車していたチャーターバスの運転手は、ケンタッキー州から来た高校生を最寄りのグリーンベルト地下鉄駅まで運ぶという。

地下鉄をどうして考えなかったのだろう!

ほかのタクシー運転手に駅まで連れて行ってくれるか電話で交渉。30分でピックアップに来ると言った。

しかし、来ない。

ホテル前を、ほかのタクシーが通った。追いかける。

黒人女性、200キロ級のおばさん、ダイアン。

一晩中、就任式に行く人をワシントンまでピストンしていて疲れている、と言いながら、駅まで連れて行ってくれると言ってくれた。

走ること20分。ところが、グリーンベルトに近づくと、車を駐車場に入れようとする自家用車の長蛇の列!暗い夜道に、ヘッドライトが不気味に連なる。

「いいこと。これは駅前まで1時間かかるわよ。目が覚めてきたから、少し先の駅まで連れて行ってあげる」

ほろりときた。

聞けば、遠方からの友人を一泊55ドルで5人家に泊めて、就任式を見るチャンスを作ってあげた。自分はこれから帰って仮眠して、午後のシフトに入るという。

ちなみに、私のビジネスホテルも通常は50ドルぐらいだと思うが、一泊340ドルに跳ね上がっている。

走るうちに、午前5時48分、オバマ就任式委員会から携帯電話にテキストメッセージが送られてきた。

「グリーンベルト駅の駐車場は空きはなし。クルマで来ないでください」

ダイアンに伝え、思いきり気持ちよく笑った。彼女の判断力に感謝!

「オ・バ・マ、オ・バ・マ!!神様!」

とダイアンは叫んだ。


彼女が降ろしてくれたタコマ駅で地下鉄に乗ると、今度は若者が車内でオバマコール。

「おい、とっておけよ」

誰かが叫ぶ。

ちょっとほっとして、これからはすべてがうまくいくように思った。


甘かった。

チケットを受け取った時に指定されていた地下鉄駅は、車内放送を聴いていたら、閉鎖されていた。

手前の駅で降りる。

着ぶくれた人々が、みな不安そうに押し合って改札に向かっている。

「OK。みんなここで落ち着かなくちゃだめよ。一日は長いんだから」

隣にいた若い黒人女性が大きな声で言った。

下車してから改札まで15分。

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地下鉄改札の混雑......

次なる災難は、20メートルほどある地上へのエスカレーターが2本とも停止していた。あるいは、事故を避けて止めたのかもしれない。

いやな予感がしたが、案の定150キロぐらいありそうな太った黒人女性二人にはさまれた。

ほどなく、前の女性がはあはあ言って止まってしまった。

後ろからヤジが飛ぶ。

「いけ、いけええ!!」

女性の脇を通って先に進むが、薄暗い地上にでたときは、私も、ぜえぜえ言っていた。


7時15分、自分が割り当てられたチケットの列に並ぶ。

零下10度。北風。

歩いていた時と異なり、冷えるのは速い。

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招待チケットを持つ人の列。先は遠い。。。



就任式の開始は11時半。


荷物検査で取り上げられるであろう栄養ドリンク2本を飲んだ。

(前半終り)

朝日新聞出版から新刊、「オバマの真実」が発売されました。

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