[マガジン百名山]

2008年08月08日

【アエラ】/思えば遠くに来たものだ

「日本初の本格的ニュース週刊誌」と高らかに創刊宣言した「アエラ」は当初の思いをそのままに、時代に即したアエラ独自の視点でニュースを切り取ってきました。今、あえて「アエラ独自の視点で」と書いたのは、これこそがこの雑誌の個性であり、賛否両論の種であるからです。「アエラ」ほど、アンチとシンパで評価が真っ二つに分かれる雑誌も少ないと思いますが、しかしまあ、アンチがいるってのは良いことです。少なくとも、読んでもらえてるんですからね。

 ここ数年は、女性のライフスタイルに関する記事を多く掲載し、女性読者を「これ、私のこと?」と笑わせたり、しょんぼりさせたりしています。昨年、コラムニストの石原壮一郎さんが『30女という病--アエラを読んでしまう私の悲劇』という著書を上梓されましたが、揶揄とエールが半々といったピリ辛めの内容にもかかわらず、当の「アエラ女」は大いに膝を打ったはず。「30女という病」を笑って読んでしまうアエラ女の悲劇でしょうか。覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、「アエラ」には創刊当時、さいとう・たかを先生による「亜江良十三」という人気(?)キャラクターがいました。あれから20年。思えば遠くに来たものです。

 さて、4年間続けさせていただいた当コラムも今回で最終回。そんな私が言うのも僭越ですが、一つだけ「アエラ」に苦言を呈すると、ちょっと連載が落ち着かないと思います。「週刊文春」の「ホリイのずんずん調査」や「考えるヒット」のように、定位置に決まったレイアウトで淡々と続く連載は、週刊誌の佇まいをシャキッとさせます。次回のリニューアルは、ぜひ長期で落ち着かせてくださいね。


中沢明子 (なかざわ・あきこ)
1969年東京都生まれ。ライター。毎日どこかの本屋に出没する雑誌好き。書評のほかインタビューやルポなども手がける。






アエラ , 中沢明子 , 週刊文春 , 雑誌

バックナンバー

アエラ最新号

2012年5月21日号

2012年5月21日号

最新号キーワード

民主崩壊 「火葬希望」は陛下最後の「革命」 「脱・不機嫌」で仕事力アップ 貧困日本の消えた子たち ツリー、タワー、富士山一望スポット20 「3・11」で小学生に携帯解禁派 格差社会の女子会「短命」事情 橋下ブレーン グリーが狙うコンプガチャ後の一手 窪田 良

2012年5月21日号
定価:380円(税込)
表紙:田中慎弥/作家

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索