特ダネ記者魂

2009年04月14日

迷走する太陽光自然エネルギーを/電力会社に配慮する経産省に任すな

[山田厚史の特ダネ記者魂]

付けて、削って、また付けて。太陽光発電への補助金が景気対策で復活する。かつて日本の太陽光は発電も生産も世界一。設置する家庭や企業に政府が補助金を付け後押しした。2006年に打ち切られ状況は一変。ドイツ、スペインに追い越され、年間設置量では米国・韓国・イタリアにも抜かれ6位。よそが猛然と普及に走っているのに、なぜ日本は支援をやめたのか。

「初期は生産コストが高いので補助金なしで普及させるのは難しかったが、そろそろ自力でやってもらうことにした」

経済産業省はそう説明する。産業育成が仕事と思っている役所がエネルギーを握っているところに日本の限界がある。

ドイツは太陽光に限らず風車など自然エネルギーで起こした電気は、通常料金の3倍で買い取ることを電力会社に義務付けた。環境保護を重要な国家目標に据えているからだ。人々はグリーン電力を自らの手で、と動きだした。07年太陽光パネルで生産世界一の座はシャープからドイツのキューセル社に移った。

日本の立ち遅れは「買い取り価格」にある。抵抗勢力は電力業界だ。「通常料金と同額では自然エネルギーは伸びない」と環境団体は主張したが、業界は拒否、経産省も同調してきた。

麻生首相は9日、「太陽光世界一プラン」を発表。「通常料金の2倍での買い取り」が盛り込まれた。「景気対策ならなんでも持って来い」という選挙対策の一環でもある。しかし電力会社の懐は痛まない。高値で買い取った分は消費者料金に上乗せするからだ。根回しに走り回った役人によると「消費者への説得は経産省でやってくれ、と電力会社からクギを刺された」。

首相が「世界をリードする」と演説しても真実味が感じられない。大事なことを役人に任せ、形だけ繕っているから。世界はCO2削減・環境という軸で回っているのに日本は景気対策や業界事情でエネルギー政策は右往左往している。政治家に志が見えず、政策は既得権を手放さない役所に丸投げされる。なんとも悲しい現実である。

太陽光発電 , 山田厚史 , 自然エネルギー , 電力

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