特ダネ記者魂

2009年06月23日

F22は米国が売らず/F35は10年先の話/袋小路の次期戦闘機

[田岡俊次の特ダネ記者魂]


浜田靖一防衛相が9日の閣議後の記者会見で次期戦闘機について「基本はF22を追求していきたい。それが駄目ならF35に限らず、他のものも選択肢に入れて考えなければ」と述べたことに、同省内でも奇異の感を抱く人が少なくないようだ。ステルス戦闘機F22(ロッキード・マーチン社)はレーダーの反射が現在の主力戦闘機F15の10万分の1だから、相手が見えない50キロ以上の距離で空対空ミサイルを撃ち合う今日の空中戦では圧倒的に優位に立つ。米空軍のF15、F16との演習で144対0の撃墜比率を出したこともある。

最強の戦闘機だけに米下院で1997年にD・オベイ議員が「この技術が世界に拡がれば、それに対抗するためさらに高価な飛行機を造ることになる」として輸出禁止を提案し、それが98年国防予算法の付則として成立した。このため航空自衛隊の調査団が一昨年と昨年訪米してもF22の資料は一切もらえなかった。また価格も高く開発費や予備のエンジン、部品などを含まない本体価格が140億円余だから、米国の財政危機で発注は187機で打ち切られた。米国の議員の一部には失業防止のため日本に輸出を認めては、と唱える人もあり、「1機250億円程度ではどうか」と日本大使に書簡を送った上院議員もいて、F22がほしい航空自衛隊を元気づけた。浜田大臣の「基本はF22」論はこれに影響されたとも考えられる。

だが、防衛省の大勢は輸出解禁の可能性に懐疑的で、「値段も開発費を割りかけすれば300億円以上」との声も出る。もう一種のステルス戦闘機F35は米、英、豪、加、伊、蘭など11カ国が資金を出して開発中で、本体価格は60億円ほどだ。ただ、日本が今から参加しても当然後回しにされ、入手は2020年ごろになりそうだ。F4戦闘機の退役は数年後に迫り、F2戦闘機の生産は2年後に終了し、日本の航空機産業は仕事がなくなる。さりとて原型初飛行が1972年のF15の改造型を今から造るのも情けない。正解の出しようがない難問に防衛省は突き当たった。

F15 , 戦闘機 , 田岡俊次 , 軍事

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