特ダネ記者魂

2009年07月14日

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誰が日本の統治者か/非核三原則を嗤う密約三原則

[山田厚史の特ダネ記者魂]


佐藤栄作という総理大臣がいた。日本ではじめてノーベル平和賞を受けた人だ。「非核三原則」を指針に掲げ「世界平和に貢献した」功績が認められた。ところが佐藤さんは、大変な二枚舌使いだったことが最近の「核密約証言」で明らかになった。

佐藤さんは1967年12月の国会で「日本は核兵器を造らない、持たない、持ち込まない」と宣言した。しかし日本には米軍基地がある。核を積んでいるはずの軍艦が入港する時、いちいち降ろしているはずはない、と疑念は広がっていた。そこで佐藤さんは国民に大見えを切って「非核三原則」を明言したのだ。

「米軍が核を持ち込む時は事前協議をする約束になっている。米国から協議要請がない限り、核は持ち込まれていないと理解している」。そんな答弁が繰り返された。  外務次官だった村田良平氏によると、60年の安保条約改定と併せ、核搭載の米軍艦船を日本は黙認する、との密約が交わされたという。合意文書は外務省に保管され、外相が代わるたびに次官が密約を説明し、外相から首相に伝えられた、という。

密約を結んだ時、佐藤さんは蔵相。首相は実兄の岸信介である。やがて首相になり、承知の上で「非核」を高らかに謳い、国民ばかりか、ノーベル賞委員会まで欺いた。

米軍の原子力潜水艦や航空母艦が核を積んだまま来ていることは、今さら驚きではない。米軍の当事者が証言し、公開された米国の外交文書でも明らかにされた。密約はニュースでもないが、問題なのは国民にウソをつき続けるこの国の政治である。ウソがバレる度に政府は「密約などない」とトボけてきた。

本当のことを知っているのは官僚で、首相さえ就任して知らされる。国会は蚊帳の外。だから官僚内閣制といわれる。国際社会に発信してきた日本の国是が、「あれはウソでした」ではあまりにも情けない。

「知らせない、隠す、トボける」。これが政府の密約三原則。こんな政治の在り方を根本から造り直す変革が、いま問われている。

ノーベル賞 , 佐藤栄作 , 外務省 , 密約 , 山田厚史 ,

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