特ダネ記者魂

2009年07月28日

対立軸はどこだ?/有権者が問われる脱「お任せ民主主義」

[山田厚史の特ダネ記者魂]


「今度の解散をひと言で表すと」という問いにコラムニストの天野祐吉さんが朝日新聞で「自民党解散」と命名していた。政権政党がバラバラになる解散ということらしい。

選挙責任者が辞任したり、派閥の親分が突如引退したり。権力という接着剤を失うと求心力がなくなる徒党の姿がなんとも哀しい。

では、とって代わる民主党とは何者なのか。政権交代が囃されてはいるが、どんな国を創るのか、自民党との違いがよく分からない。マニフェストでは子ども手当・農家の戸別所得補償・高速道路の無料化など「小骨」が並ぶが「国の骨格」では自民党とどう違うのか。「対立軸の違い」が見えてこない。

今や諸悪の根元のように言われる小泉・竹中路線だが、国の経営理念はそれなりに鮮明だった。1小さい政府(民で出来ることは民で)2規制緩和(新しいビジネスに出番)3グローバリズム(国境なきマネー経済)4輸出主導の産業立国(国際競争重視・円安)5増税なき財政再建(インフレ期待の成長重視)

1億総中流のぬるま湯から飛び出し「頑張る人が報われる競争社会」を目指した。しかし商売上手や財力のある人は浮かんでも、使い捨てられる人たちは沈む。福祉予算は切り込まれ弱者に冷たい構造改革だった。

小泉・竹中に対抗するなら1大きい政府(分配を重視)2社会的規制(強者の横暴に歯止め)3反グローバリズム(地域や文化に配慮)4消費者重視(円高で購買力)5国民負担増(受益と負担の透明化)となるだろう。

旧来の自民党は123で反小泉、45は小泉と同じ。では民主党はどうなのか。1234で反小泉だが5は不鮮明だ。旧自民党と大きな差は見あたらない。

いずれにせよ「政府の役割」が重要になる。市場原理の暴走を制御するには規制や分配機能が欠かせない。問われるのが官僚の在り方だ。お役人を国民目線に変える「平成維新」が日本の課題だろう。自民党は官僚に国家運営を丸投げし、党内闘争で「天下取り」に明け暮れてきた。官僚は行政を意のままにして身内に甘い「天下り天国」を築いた。 

有権者にも責任がある。お上に依存した「お任せ民主主義」の末路が今日だ。自民党のドタバタを笑っていられない。失政を放置したツケは国民の不幸によって清算される。

小泉純一郎 , 山田厚史 , 民主主義 , 竹中平蔵

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