特ダネ記者魂

2009年09月08日

これで反米的? 鳩山論文に怒る「上から目線」の米国

[山田厚史の特ダネ記者魂]

民主党政権で日本はどう変わるか、ワシントンも注目している。産経新聞がさっそく伝えた。「日本分析の専門家に『深刻な懸念』が広がっている」。NYタイムズ電子版に載った鳩山由紀夫の論文が「あまりにも反米的」というのだ。

「鳩山は極めて興味深い世界観の持ち主だ。一つとして同意する点はない」と元政府高官は語り、「首席補佐官が読んだら『反米政権を相手にする必要はない』とオバマ大統領を説得するだろう」という専門家もいるという。

話題になったのは「Voice」9月号の「私の政治哲学」を抜粋し英訳したもの。

「米主導の市場原理主義に日本は翻弄された」として「切り捨てられた価値に目を向け直すことが政治の責任」と述べ、「支配国家としての地位を維持しようと戦う米国と、これから支配国家になろうとする中国との間で日本は政治的、経済的独立をいかに維持すべきか」などと書かれている。

国内ではさほど反響もなかったが、対日政策チームの要ジェフリー・ベーダー国家安全保障会議アジア上級部長が嫌悪を露わにしているという。評論家の岡本行夫は産経のコラムで、米国の識者が「ハトヤマはチャベス(ベネズエラ大統領。激烈な反米主義者)と全く変わらない」と言ってきたと紹介し、鳩山には「日本がアメリカと同盟関係にあるという意識がない」と批判した。

米国の怒りは「日米同盟が分かっていない」ということのようだ。地位協定の見直しや普天間基地の県外移転など無理なことを並べているのが気に入らない。

米国は「上から目線」、日本は「下から」の関係が長く続いた。「イエスマン」だった自民党政権は「御意向」に目配りし、ギクシャクすると米国通とされる特派員や評論家が「米国はこんなに怒っているぞ」と警鐘を発した。

世界が変われば関係も変わる。民主党が主張する「対等な同盟関係」は、命令することに慣れてきた米国が「深刻な懸念」を抱くだろうが、だから何だというのか。相手国の官僚に「やりやすい相手」と思われてきた関係が問題だったのではないか。

山田厚史 , 鳩山由紀夫

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