特ダネ記者魂

2009年10月13日

自民なら赤坂銀座/政務官室で感じたお茶一杯の爽快さ

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

従来、自民党政権下では政務次官、2001年から改称して副大臣と政務官、の大部分はお飾りに近い存在だった。大臣になるには当選回数が足りない議員に箔をつけるために任じられることが多く、政策などの決定は官僚が大臣の承認を得て行っていたから情報を持たず、取材対象にもまずならない閑職だった。ところが民主党政権では野党時代に厳しく政府を追及したため省庁の業務に識見があり、大臣になってもおかしくない程の議員達が副大臣、政務官になっているから真剣に仕事をし、当初は警戒的だった官僚達の間にも評価する声が高まっている。

私自身もそれを体験した。某省の政務官の秘書から「政務官がお話をうかがいたく、何日の午後6時から2時間程、政務官室にお越し願えまいか」との電話があった。承知はしたものの、「政治家が夕刻に会いたいというのは食事でも、の意味のはず。秘書が場所を間違えたのでは」と考え、電話で確認したが「はい役所でございます」との答えだ。いぶかりながら行ってみると政務官は私への質問を準備していて、脇に座る秘書にメモを取らせつつ、次から次へと焦点の合った質問を浴びせてくる。まるで検察庁に呼び出され参考人調書を取られているようなかっこうだった。その間出たのはお茶一杯。だが討議は実に楽しく、こちらも相手が苦心している状況が分かり、大いに勉強になった。

まだ仕事が残る気配の政務官室を辞して役所を出ると空腹を覚えたので一人で夕食を取りながら爽やかな気分に包まれていた。酒席に招かれて空疎な話を聞かされ「何卒宜しく」と言われるのとは大違いだ。同僚に「私も自民党政治に毒されていたらしい。夕方6時に会いたいと言われ、場所は赤坂か銀座の間違いではとつい思ったんだ」と話すと彼は「それは自民党のせいじゃないでしょ。夕方6時に会おう、というのは夕食をご一緒に、という意味なのは古今東西の常識では」と言い、「そうだよね」と笑い合った。ひたすら職務に熱中し、常識を超えた清廉さを示す政治家に接するのは快い。民主党の政権が長期化しても初心を忘れず、お茶一杯で多くの人々を招き意見を聞くことを政治の慣行として確立して貰いたい、と考えた。

民主党 , 田岡俊次 , 自民党

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