特ダネ記者魂

2009年11月17日

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削れない民主党/小沢一郎の独善が仕分けにブレーキ

[山田厚史の特ダネ記者魂]

会場の印刷局市ケ谷センター体育館には1000人を超える観衆が集まった。行政刷新会議による事業仕分け作業。地味な作業がこれほど関心を集めるのは驚きだが、「頑張っても削減は1兆円に届かないだろう」と舞台裏からそんな弱気な声が聞こえる。

「仕分け」が政治ショーになったのは「政権交代」のおかげだ。「生活者の懐に直接届く支援」を掲げて圧勝した民主党は、財源を問われ「無駄を削ればいくらでも出てくる」と楽観論を振りまいた。ところが政権に就くと削減は容易でない。空前のバラマキと言われた麻生政権の景気対策。総額14兆円は膨らまし粉だらけで、5兆円くらい軽く削れると見られたが、3兆円に届かなかった。壁の厚さを思い知った鳩山政権が思いついたのが「仕分け」だった。実績では対象事業の10%以上の圧縮が可能と見られた。

90兆円の国家予算なら10兆円くらい削れるか、などと期待が膨らんだ。「仕分け」さえすれば、無駄遣いがきれいに洗われる。そんな幻想が一人歩きしはじめたのである。

「大事なのは前工程。現場に出かけ使い道の実態を調べて問題点を絞り込む。そこがポイントです」。ベテランは言う。仕分けとは取材であり実態調査なのだと。

調査には頭数と時間が必要だ。今回は急な話で、時間が決定的に足りなかった。そこに予想外の横やりが入った。仙谷担当大臣と責任者の枝野議員の間では新人議員ら三十数名を仕分け人として使う手はずになっていた。しかし「そんな話は聞いていない。新人議員は政府の仕事を禁じている」と小沢幹事長の周辺が騒ぎ、必要な手足がもがれた。仙谷、枝野両氏が小沢氏配下の新人を一本釣りしているという情報も流れた。複雑な党内事情が「横やり」の背景にあるようだ。

しかし民主党にとっていま一番大事なことはマニフェストに掲げた政策を実現する財源を確保すること。そのためには予算書の数字の裏に潜んでいる甘い実態をほじくり出すことである。党内の人材をどう投入するか。大局的な立場から判断すれば、新人議員の総動員は必要な局面である。

来年度の概算要求は95兆円を超える。税収は40兆円を下回り35兆円などと言われている。鳩山首相は国債の発行を44兆円以下に抑える、と明言した。となれば要求から10兆円余削らなければ予算は組めない。「無駄を削れば財源は大丈夫」と言っていた民主党の信任が問われかねない展開である。

事業仕分け , 小沢一郎 , 山田厚史 , 民主党 , 行政刷新会議

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