2008年12月20日

大学の実力(3):「駅伝偏差値」アップで生き残る

「箱根を制覇せよ」学長室の攻防戦

ジャーナリスト 小林哲夫 編集部 甲斐さやか


◆群馬県伊勢崎市からのラブコール

それは1通のメールで始まった。

〈箱根駅伝への思いは強く、いまの結果には満足していない。大学で指導してもらえないだろうか〉

2004年1月、上武大(群馬県伊勢崎市)陸上部の小野大介マネジャーが、当時エスビー食品陸上部にいた花田勝彦さん(37)にあてたメールの内容だ。

花田さんは早稲田大(東京都新宿区)出身。1993年の「東京箱根間往復大学駅伝」で区間新記録を出し、母校を8年ぶりの総合優勝に導いた実績の持ち主だ。アトランタ、シドニーの両五輪にも出場している。

そのメールから5年目にあたる09年の1月2~3日、上武大は念願の箱根駅伝出場を果たす。

◆箱根駅伝=大学のPRに

80年代に理事長だった菅野敏雄さんの鶴の一声で、箱根駅伝出場への強化を行ったのは、神奈川大(横浜市)。陸上競技部の中野宏一経済学部教授は、こう説明する。

「パブリシティー効果によって、社会から総体的に評価される契機となり、卒業生や在校生に元気を与えてくれます」

中央学院大(千葉県我孫子市)の椎名市郎学長は、この大学の卒業生(2期生)だけに、母校への思い入れは人一倍強い。

「自分の大学の選手が走る姿を見ると、学生の励みになります。連続出場で名前が知られ、就活の面接でも駅伝が話題に上るようになった。うちの大学には、高校まで勉学面で十分に力を発揮できなかった子も入ってきますが、彼らに自信をつけさせることにもつながると思います」

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