2009年01月25日

テレビを捨てたお笑い

全身全霊でくだらなく

編集部 福井洋平


◆インターネットテレビで「内村さまぁ~ず」

地上波テレビでは見られない、そんなバラエティー番組のDVDシリーズが、7巻すべて「アマゾン・ドットコム」のバラエティーDVDランキング上位にランクインし、合計20万本以上を売る大ヒットとなった。

昨年3月から発売が始まったその作品は「内村さまぁ~ず」。ウッチャンナンチャンの内村光良とさまぁ~ず(三村マサカズ、大竹一樹)の3人がゲストMCの芸人と、ロケをしながら「駄菓子食べ尽くし」やら「東京人検定クイズ」やら「大自然クイズ」(日没までクイズをする)などの企画にチャレンジする自称「脱力系成り行きバラエティ」。配信しているのはインターネットテレビ「ミランカ」だ。

内村、さまぁ~ずと芸人たちによるバラエティーと言えば、かつてのテレビ朝日系の人気深夜番組「内村プロデュース(内P)」の世界そのもの。今でも同番組のDVDは高い人気を誇るが、番組自体は2005年、打ち切りになった。

◆時間すらも気にせずに

芸人が裸でゲームをする企画や、「大自然クイズ」などのシュールテイストの企画がなかなか受け入れられず、番組内でも自虐的に「女性視聴率が低い」と語っていた。

その点、インターネットテレビでは視聴率もプロデューサーの視線も、配信時間すらも気にしなくていい。1回だけ番組名を「さまぁ~ず内村」に変えたり、値札を見ずに買い物するなどムチャに挑戦する「俺たちちょいとムチャするぜ!」など、酒場で盛り上がったネタがそのまま企画になった。その自由さが、地上波では見られない3人の共演が続いている理由だ。

◆「やらせは絶対しない。」

地上波テレビは視聴率の圧力だけではなく、スポンサー、視聴者という"制約"とも戦わなければいけない。テリー伊藤が演出し、「平成口ゲンカ王」や「早朝バズーカ」シリーズなどの名企画を生んだ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(1985~96)など、今ではクレーム続出でとても地上波では見られないだろう。当時、「元気が出るテレビ」のディレクターを担当し、「天才イズム」を受け継ぐマッコイ斉藤さん(38)は、現在も「おねがい マスカット」などの地上波番組も手がけるが、半分はDVDの仕事。

オカマを仕込めと言われれば本物のオカマに交渉し、ヤンキーを探せと言われれば本物のヤンキーにお願いする。常に「本物」に囲まれて全力でバカなことをする、とんねるずやビートたけしに憧れてテレビの世界に入った。だがこの5、6年、芸人に熱いおでんを無理やり食べさせる「熱いおでん」や熱湯風呂の罰ゲームも、視聴者からのクレームで中止になった。今、本当に自由に面白いことができるのはDVDと感じる。 「やらせは絶対しない。やらせがないほうが面白いですから」

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