2009年02月07日

「三重苦」で突然死リスク

「ドミノ倒し」3月危機の現実味

編集部 大鹿靖明


「金融機関から新規融資を受けることは......絶望的な状況となりました」

東証1部上場の不動産ディベロッパー、日本綜合地所は2月5日、会社更生法の適用を申請して倒産した。53人の採用内定を取り消して、昨年話題になったあの会社である。

◆32億円を工面できず

銀行の融資姿勢は昨年春から厳しくなり、秋には綱渡りの資金繰りとなった。もはや追加融資を受けるのに必要な担保余力がなくなった。2月6日に手形決済される建築代金32億円が工面できず、自力再建を断念、倒産した。

株式を上場している不動産・建設会社の経営破綻は、東京商工リサーチによると、08年1月以降、これで27社を数える。その多くが日本綜合地所と同様、急激に資金繰りが行き詰まるケースだが、最近は新しいタイプの倒産が現れている。監査法人が引き金をひく新型倒産である。

その象徴例が、中堅マンション開発業者のモリモトの倒産劇だった。

◆監査意見を拒まれて

「青天の霹靂という気持ちです。金融機関にご支援を約束していただいていただけに、理解できません」

創業者の森本浩義社長は倒産発表の記者会見で、悔しそうな表情を浮かべた。

モリモトの説明によると、昨年10月、売却予定の物件が引き渡し直前にキャンセルされて資金繰りが厳しくなった。メーンバンクのみずほ銀行はモリモトを支える姿勢を示したものの、会計監査人の新日本有限責任監査法人の姿勢は厳しかった。

事情を知る関係者は言う。

「みずほは資金繰りを助けるということだったのに、新日本側は受け入れませんでした。『銀行が支援するなら、それを頭取名で文書化して提出してほしい』と無理難題を突きつけてきたのです」

◆「継続疑義」の注記も

賃貸マンションを不動産投資ファンドに転売するリビングコーポレーションは昨年9月、決算開示にあたって新日本から、「継続企業の前提に関する重要な疑義」という注記がつけられたと発表した。注記はただちに倒産を意味するものではないが、株式や社債の投資家に向けて企業存続の可能性が危ういことを知らしめるメッセージである。

「継続疑義」注記がつけられた新興不動産会社は、枚挙にいとまがない。

新生証券の宮川淳子シニアアナリストは、業界をこう見る。

「資金繰りに行き詰まる一方で、監査法人から監査意見が得にくくなっています。さらに、格付けの格下げにもさらされており、まさにトリプルパンチの状態にあります」

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