2009年03月08日

学力日本一の町を訪ねて

独自ノートと保護者力で育つ

編集部 澤田晃宏


小学校6年生の全国学力テストで2年続けて1位になった秋田県。全科目でトップの成績だった八峰町の教育委員会には6都道府県43校からの視察依頼や、マスコミからの取材依頼が殺到していた。

町内には五つの小学校と二つの中学校がある。中心部にある観海小学校の三輪明美校長(55)が、こんな言葉で出迎えた。

「取材に来られても、がっかりされるかもしれません。当たり前のことを、当たり前にしているだけですから」

◆学ぶ目的示す板書

1年生の算数の授業にお邪魔した。

私語もなく、誰一人席を立たない。先生の呼びかけには、元気な声が上がる。

だが、最も目を引いたのは、板書だ。黒板の上には赤線が引かれ、対応するように、子どもたちが開いたノートの見開きページにも赤線が引かれている。赤線の上には「めあて」と「まとめ」を書き、下段は「まとめ」に至るまでの考え方を書き込むスペースになっている。

2008年度より同小にこの板書法を導入した教師の大沢知子さん(42)は、こう話す。 「学ぶ目的をはっきりさせることで、学びの手立てを探求し、学び方も子ども自身が身につけていきます」

◆教育長からのカード

独自性は学習法に限らない。中学に進学する不安を払拭して、いじめや不登校防止になるようにと、小6と中1が1泊して語り合う研修「中一ギャップ対策」や、秋田市内の国際教養大学と提携し、保育園から中学校まで、月1回、世界各国の留学生を英語の授業に招いている。

昨春、能代市内の小学校から観海小に異動した大沢さんは、着任直後に1通の封書を受け取った。中には教育長の千葉さん直筆の手紙と、名刺形のカード。カードには千葉さんの連絡先が書かれ、裏には、

「嬉しいときはいりません。悲しいとき、悔しいとき、悩んでないで連絡下さい」
千葉さんは八峰町の先生すべてに同様の手紙を送っている。週1回は町内すべての学校に顔を出し、子どもとも触れ合う。

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