2009年03月15日

北尾吉孝の「週1宿題論文」

SBIトップの社員スパルタ養成術

ジャーナリスト 森 健


◆入社2年目で社長

ドアを開けると、だだっ広い空間。肝心のオフィスはそのスペースの奥だが、散らばった荷物の脇にラジコンカーもある。

「散らかっていてすみません」

そう言って、SBIポイントユニオンの佐藤市雄さん(25)が入ってきた。この会社はSBIグループ内外のポイントを扱う「EGサテライト」を運営している。佐藤さんは、入社2年目にして同社の代表取締役だ。

「来てみたら、机もパソコンもない。一部上場の会社に入ったつもりが、ベンチャーに就職したような感じでした」

大まかなアイデアはSBIグループCEOの北尾吉孝氏から下されるが、具体的な落とし込みは現場任せ。社内外の関係者に尋ねながら、事業を地道に軌道に乗せていった。

◆新入社員の宿題論文

北尾氏の「大胆人事」には根拠があった。北尾氏が毎年新入社員に課している「宿題」だ。

▽新興市場の今日の低迷の原因を分析すると共に、その回復への方策について論ぜよ

▽eラーニングの「戦略財務会計」で学んだ内容を踏まえ、三越と伊勢丹の財務諸表の差異について考察せよ

▽当社グループに大きなシナジーがあると思われる買収候補先を3社挙げ、そのシナジーがある理由を説明せよ

右の3問はいずれも2007年に北尾氏が新入社員に出題した「宿題」だ。

銀行や証券のアナリストなら難なく論ぜる設問かもしれない。だが、社会人1年目にとってはハードルは高い。こうした課題論文を、SBIの新人は1年間隔週で提出しなければならない。06年までは毎週だったーー。

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