2009年05月24日

賞与50社の「地獄格差」

電機も自動車も3割減はザラ

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編集部 山下 努、四本倫子

◆ボーナス半減でローンが

沖電気工業の東京近郊の事業所を最近退職したAさん(60)は、住宅ローンの延滞を懸念する20~30代の元同僚から何件も相談を受けた。

「夏のボーナスが半分の20万円台になる。住宅ローンが払えないが、どうすればいいのか」

「年間50万円以上も賃下げされたら、とても生活できません」

組合員平均の37.4歳社員の夏のボーナスは、昨夏の64万6000円から32万1000円へと一気に半減する。

沖電気は、グラハム・ベルが電話機を発明してからわずか数年後の明治14(1881)年に創業した国内初の通信機器メーカー。ATM(現金自動出入機)で高いシェアを持つ。

だがこの1年、半導体部門の売却、約290人の希望退職実施、5%の賃下げ、残業手当の引き下げ、定期昇給の一時凍結と、リストラの嵐が吹き荒れた。2009年3月期連結決算の純損益は、450億円の赤字で終わった。

揚げ句が、業績連動型賞与のボーダーライン(下限)の大幅引き下げと、それによる「ボーナス半減」だ。会社のこの提案を受け入れる労働組合執行部の方針に、反対票を投じる組合員も出はじめたという。

◆「現物支給」も再来?

苦境は沖電気だけに限らない。先端産業のイメージが強い電機業界だが、実は赤字と黒字を繰り返す「構造不況業種」といっていい。有望だった液晶や半導体が、過剰生産で値崩れしているからだ。

「現物支給」の再来を予想する声もある。パナソニックは課長級以上の管理職に7月までに自社製品を買うよう「お願い」を出した。80年代の円高不況以来、三洋電機、NEC、三菱電機などが、ボーナスの低迷を補うため「自社製品購入券」などをつくって「危機感の共有」を求めた歴史がある。購入した自社製品の領収書と現金を引き換えるという仕組みは、国が景気対策として始めた「エコポイント」に似ていた。

アエラが国内の主要50社に夏のボーナスの額をアンケートしたところ、冒頭の沖電気をはじめ、自動車、電機などの9社が昨夏からのボーナスの下落率が3割超と答えた。

それにしても、なぜこれほどまでの大幅下落になったのか----。

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