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きまじめ人材で史上最高益 (VW)
逆風下の自動車業界再編で増す存在感
編集部 太田匡彦(写真も)
◆フォルクスワーゲンに育てられた地元っ子
エンジニアとしてのパメラ・ヘルシェルさん(28)は、フォルクスワーゲン(VW)で手塩にかけて育てられた。
ドイツ北部の都市ウォルフスブルクは、ヒトラーの「国民車」開発計画によって1938年にVWが設立されて以来、その企業城下町として栄えてきた。そこからほど近い街で生まれたヘルシェルさんにとって、VWの自動車は幼い頃から常に身近にある憧れの存在でもあった。
「自動車は手で触れられる技術の集大成。その自動車という製品自体が大好きなんです。自動車に技術的にかかわりたいと、ずっと考えていました」
そんな思いを募らせ、ギムナジウム(中、高等教育機関)で大学入学資格を取得後すぐにVWに入社したのは、自然なことだった。
工場に配属されて3年間、工業用電子技術者としての職業教育を受けた。さらに4年間、VWからの奨学金で大学に通い、品質管理に重点を置いて電子工学を学んだ。会社によって、エンジニアとしての道を確かなものにしてもらった。
◆米国撤退した堅実さ
100年に一度ともいわれる経済危機は、各国の自動車メーカーを直撃した。世界1位のトヨタ自動車が2期連続の赤字に陥る見込みで、2位の米ゼネラル・モーターズ(GM)は破綻した。この逆風下で、欧州自動車メーカー最大手、世界第3位のVWの存在感は増している。一時凍結しているが、独高級スポーツ車メーカー、ポルシェとの合併協議も浮上。業界再編のカギを握る可能性も出てきた。
VWグループは2008年12月期、売上高で前年同期比4・5%増の1138億ユーロ(約15兆4000億円)、純利益で同13・7%増の47億ユーロを稼いだ。販売台数でも同1・3%増の627万台と、いずれも過去最高を記録した。
「全社で全力を尽くした結果。VWグループは、グラウンドの条件が悪くても良いプレーができることを証明した」(マルティン・ヴィンターコルン会長)
「堅実」
それこそがVWの強みだ。80年代、日本メーカーの攻勢にさらされ、米国生産からの撤退を決断した。そこで無理をしなかったことが結果的に、今回の景気後退局面で功を奏している。米国市場を手薄にした分、中国など新興市場での展開を強化していたのだ。
堅実さは人材面にも表れている。ヘルシェルさんのように地元の人材を自前で育て、ボトムアップでグループの基礎を固めているのだ。世界からMBAホルダーをかき集め、トップダウンで物事を進めていく米国流とは一線を画している----。

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