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女性上司への本音
部下310人の「こんな女性上司と働きたい」
編集部 四本倫子、小林明子 写真 高井正彦
◆驚きの女性上司
大手IT企業に勤めるリサさん(32)の職場に1年半前、女性グループ長(41)が着任した。初めての面談でリサさんが業務改善を提案すると、
「どうなるかわからないけど、とりあえずやってみたら?」
部下の話を決して否定しないし、小さなことでも褒めてくれる。驚きの連続だった。
前任のグループ長は出世欲の塊のような男性だった。気に入った男性部下にどんどん仕事を回し、見せしめのように新人を叱った。男性部下は出世するか辞めるかのどちらかで、女性部下はそもそも蚊帳の外。戦力としてカウントされず、綺麗な子だけが食事に誘われた。
◆バブル上司Vs.氷河期部下
企業で女性の登用が進み、身近な女性上司の存在は珍しくなくなった。厚生労働省の女性雇用管理基本調査では、係長級以上の女性管理職がいる企業の割合は1989年度は52%。2006年度は67%に増えた。
いまの女性管理職たちは86年の男女雇用機会均等法の施行後、「女性初」のプレッシャーを背負いながら地位を切り拓いてきた世代が中心。バブル期に仕事の醍醐味を知り、同期の中で残った自負もある。
一方、直属の部下世代は就職氷河期に入社。年収水準も採用も低く抑えられ、会社への期待値も高くない。すでに整備されている両立支援制度を使って、私生活も大事にしながら働きたい。出世に関心がない「草食部下」が増えている。
「部下にも続いてほしい」
女性上司がそう願って育てようとしても、部下たちには伝わらず空回りすることもある。上司が目指す「理想像」と、部下が考える「理想の上司像」、そこから繋がる自身の「将来像」にズレがあるからだ。
◆裏目に出る「草食部下」への気遣い
「デキる上司の叱り方」
40代の女性部長が登場した雑誌記事を読んで、情報会社に勤めるユリさん(26)は失笑した。
「自分では何点だと思うの?」
「もっとできるでしょう?」
どんなに頑張っても、もっと、もっと、と要求される。それで部下のモチベーションが下がることにも気づいていない。
部長は社内で「女性初」の肩書を総ナメにしてきた。男性中心の職場で上り詰め、女性が当たり前に働ける環境を築いてくれたことには尊敬も感謝もしている。でも、ユリさんは部長の「際限なき戦闘」を目の当たりにするたびに気が遠くなり、仕事を投げ出して田舎に帰りたい衝動に駆られる。
キャリアダウンを恐れて子どもを作らなかったという部長は、ワークライフバランスの旗振り役になってから、結婚した女性に「早く産みなさい」と勧めている。その本音がユリさんにはわからない。
女性上司がよかれと思ってやることさえ、「草食部下」には裏目に出ることもあるーー。

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