2009年10月25日

東大卒母の勝ち組進学観

「わが子も母校に」とあえて言わない

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編集部 小林明子、甲斐さやか 写真 高井正彦 立体イラスト kucci


◆「ふつう」でいることが難しい

同級生からのメールは未開封のまま、たまっていった。

2000年に東京大学の文学部を卒業した女性(32)はこの春、2人目の子どもの育児休業中に勤め先から無期限の自宅待機を命じられた。いわゆる「育休切り」だ。復職できる見込みはなく、派遣会社を回ったが、事務職の求人はほぼゼロ。履歴書の「東大卒」の学歴はむしろ、

「キャリアに見合う仕事はありませんね」

と断られる口実になった。自宅で悶々としているときに、エリート街道まっしぐらの友達の近況など知りたくはなかった。

「何度も転職したし、できちゃった婚だし。いわゆる『東大らしい生き方』とはほど遠い。日常はそこそこ幸せなのに、すごすぎる友達の中では『ふつう』でいることがとても難しい」

育休切りにあった後、ようやく再就職できたベンチャー企業に、同い年の東大卒の男性がいた。コンサルティング会社から転職してきただけあって、パワーポイントで完璧な資料を作り、分析力も秀逸。ただ、何かにつけて学歴を鼻にかけ、同僚を「あいつはダメだ」「バカばっかり」と見下す。女性の夫が関西の私立大学卒と知ると、

「ふん、やっぱり」

そんな彼でさえ、前の会社を辞めてから1年ほど仕事が見つからず、毎日パチンコ三昧だったという。容姿はまずまずなのに彼女はいない。

「不況で『東大らしい生き方』ができる保証はないのに、東大卒という中途半端なプライドが幸せの邪魔をする。4歳の息子には彼みたいになってほしくないから、東大に入れたいとは思いません」

◆東大母にアンケート

かつて東大卒の女性といえば強烈なインパクトを放ったが、ここ30年で女子の入学者は3倍以上になり、結婚して母になる人も増えている。学歴の力を実感し、社会で能力を発揮している母親たちは、わが子にどんな教育を受けさせたいのだろうか。

アエラは東大出身の母親20人にアンケートをした。その結果を見ると、冒頭の女性は例外的だった。「東大ブランド」は健在らしい----。

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