2009年10月25日

平均48.5歳心つかむ熟練

米テレビドラマの祭典・エミー賞

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編集部 田村栄治


◆いい主役は40歳以上

「ザ・ノミニーズ・アー......」

その言葉を合図に、タキシードやドレス姿の俳優やテレビ業界の関係者らで埋まった会場の大型スクリーンに、連続ドラマ部門の主演女優賞候補6人の出演シーンが順々に映し出された。

ほぼ全員に共通するのは、気圧されるほどの存在感と演技力。それと──目尻や口元、首などに刻まれた皺だ。

優れたテレビ作品と出演者、スタッフらに贈られるエミー賞(米テレビ芸術科学アカデミー主催)。米ロサンゼルスで9月20日にあった第61回授賞式(夜の番組部門)でみえたのは、ベテランが活躍し、それが作品の質を上げ、そのことが高く評価されて、またベテランが力を発揮するという、米テレビドラマ界の「熟練の好循環」だった。

例えば、冒頭の主演女優賞。候補の6人は、62歳が2人、51歳、45歳、44歳が1人ずつで、もう1人が唯一の20代(27歳)という構成だ。平均年齢は48・5歳に上る。

この日、トロフィーを手にしたのは、「危険な情事」などの映画で日本でも有名なグレン・クローズ(62)。2007年に始まった「ダメージ」で、ニューヨークの辣腕弁護士を演じ、2年連続の受賞となった。勝訴のためには手段を選ばない冷徹な姿は、鋭い眼光と相まって背筋がゾクリとするほど。何も語らずして、さまざまな人生経験を想像させる「年季の入った」外見は、財産でこそあれ負債ではないことを知らしめる。

ベテランの活躍は、シリアスなドラマに限らない。今回のエミー賞では、比較的若手が目立つ連続コメディー部門でも、主演女優賞候補の平均年齢は40・5歳に達した(受賞者は36歳)。主演男優賞も事情は同じ。いい主役は40歳以上、というのが相場なのだ----。

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