2009年12月13日

米軍増派の狙いは「撤退」

ゴルバチョフとオバマの共通点

20091221_s_4.jpg
軍事ジャーナリスト 田岡俊次


◆ソ連と似る米の新戦略

ソ連最後の大統領M・ゴルバチョフ氏と、米大統領B・オバマ氏には共通点が多い。2人は「ペレストロイカ」(改革)、「チェンジ」(変革)を唱えた気鋭の改革者だが、共に前政権から二つの巨大な負の遺産を受けついだ。長引くアフガニスタンでの戦争と深刻な財政危機だ。

ゴルバチョフ氏が共産党書記長に就任した1985年、ソ連のアフガニスタン戦争は7年目に入って財政は破綻に近く、国民の不満も高まっていた。早期解決をめざした同氏は増援を送り込み、イスラム・ゲリラの拠点3カ所に対し各1万人の兵力を投入。猛攻をかけさせた。だが、勝負がつかず、ゴルバチョフ氏も勝利をあきらめ、86年に「部隊の帰還」を語り、88年5月から撤退を始めた。

ソ連の東欧支配のカギだった軍事的威信は失われ、東欧諸国は次々に離反し、冷戦は終わった。ゴルバチョフ氏はオバマ氏と同様ノーベル平和賞を90年に受けたが、ドミノ現象はモスクワにまで達し、91年12月ソ連は崩壊した。

同じような状況では誰も似た方策を考えるようだ。

オバマ氏は一時的にでもよいから抑え込みに成功したような形をつけると同時にアフガン人の軍、警察を育成し、「後の治安はまかせられる状況になった」と「任務達成」を主張して撤退する出口戦略を考えているように見える。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年2月13日号

2012年2月13日号

最新号キーワード

食の信念が揺らぐ 銀行窓販保険の魅力と危険 早慶女子「一般職がいい」 女心の複雑 「脱東電」で電気代26%節約 「驚異の儲け」グリーよ どこへ行く 絢香インタビュー 荻原博子の石巻ルポ 今年の花粉症 AKB48「恋愛で脱退」のルールと戦略 

2012年2月13日号
定価:380円(税込)
表紙:松田翔太/俳優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索