2009年12月13日

妻の「出世」を喜べない

はたらく夫婦がはらむ葛藤

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編集部 小林明子、大波 綾


◆働かせてもらっている

夕食を10分で食べ終えた夫(52)がバサッと新聞を広げた。

「ごちそうさま」

3人の子どもが言い残し、次々と2階に上がっていく。私(46)が黙々と食器を洗っていても、夫は新聞から顔も上げない。

20年前、同じ会社で職場結婚した。6歳上の主任だった。部下のやり残した仕事をするために、残業が続く姿を見ていた。家のことで負担をかけてはいけない。そう思い、ほとんどの家事を引き受けた。

働かせてもらっている──どこかでそうも感じていた。夫の給料だけで生活できないわけでもない。子どもたちだって淋しいだろう。それなのに働いているのは自分のやりがいのため。だから家事も育児も頑張った。

3年前、課長に昇進した。

「頑張ってやればいいよ」

そう励ましてくれた夫の言葉が素直に嬉しかった。

夫の肩書は結婚当時と同じ主任のままだ。管理職にならないと宣言し、管理職研修も辞退した。そこそこの給料があればいいと、夫は割り切っている。

◆家事は妻がするものという潜在意識

このところ、夫の帰宅時間が早い。午後6時には家にいる。私は夕方に会議が入ることが多く、残業が増えた。ある日、提案した企画を顧客に喜んでもらえたとウキウキして帰ったら、なぜか夫の機嫌が悪かった。

「7時までに帰らないなら、勝手に外食するから」

これまで7時までに帰宅して夕食を作っていたのは、「できていたからやっていた」だけだ。だから、課長に昇進し、「できなく」なれば、当然夫が手助けしてくれるものと思っていた。

だが、違った。夫は自分の生活リズムが崩れない範囲で、妻が働くことを"黙認"していたに過ぎない、そう気づいた。

夫婦ともに働いていれば家事も子育てもそれぞれ負担し、助け合わなければどちらかに不満がたまる。だが、これだけ働く女性が増えても、家事は妻がするもの、という意識が女性にすら残っている。その潜在意識がストレスを生む--。

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