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クビ切りサバイバル
ついにJALも3割カットへ
編集部 鈴木琢磨、土屋 亮 写真 高井正彦
◆いつの間にか「C」扱い
蒸し暑い夜だった。
2003年夏。人事のスペシャリストとして企業を渡り歩いてきた東京都内の男性会社員Iさん(57)は、通信系企業でリストラ計画の責任者を務めていた。515人を300人に減らすという猛烈なリストラの真っ最中だった。
午後10時すぎ、新宿御苑近くの社を出て、JR新宿駅まで歩いた。埼京線のホームに立ったとき、いきなり背中を突き飛ばされ、よろめいた。線路に落ちる手前で何とか踏ん張った。あの日のことは、いまも忘れられない。
しかし、運命とは皮肉なものだと思う。いま、我が身に、リストラの波が押し寄せているからだ。
Iさんの話を続ける前に、あえて触れておきたい。いま、連日のように企業が発表する「早期希望退職募集」は、クビ切りと同義である。
社員の「希望」など考慮されない。辞めるか、辞めないか。実質的な選択権は会社にある。会社が社員を3分類するのだ。
A(残す人材) B(どちらでもいい人材) C(辞めてもらう人材)
狙い撃ちされるのは、Cだ。
Iさんは経営立て直しの実績を買われ、人事を含む経営企画全般のアドバイザーとして08年夏、七つ目の職場に移った。
しかし、ほどなく、こう言われた。
「会議には一切出なくていい」
「勝手に部屋から出歩かないでほしい」
いつの間にか、「C」の扱いになっていた。退職勧奨が始まり、仕事を取り上げられた。身の置き場がない。
09年は、正社員を対象に「早期希望退職」という名のリストラの嵐が吹き荒れた。東京商工リサーチによると、実施した上場企業はアイフル、パイオニア、三洋電機、近畿日本ツーリスト、ソニーなど191社。募集人数は2万3千人で、前年の2・6倍にのぼる。今年もすでに11社が実施を予定している。その企業群に、あの大企業も加わることになる。
◆JALを狙う会社
日本航空(JAL)。再生計画では、カット数は1万5700人。グループ社員の3人に1人にあたる。かつては就職人気ランキング1位、景気に左右されない「親方日の丸・規制産業」の代表格でさえ、大量の社員を切り捨てなければ、もはや存続さえ危うい、のが現実だ。
そんなJALを、虎視眈々と見つめるのが、「再就職支援」業界だ----。

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