2010年02月14日

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「けんか破談」の真相

キリン─サントリー 謎の「寿不動産」

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編集部 太田匡彦、井上和典、時津 剛(写真)


一方通行のひっそりした路地沿いにそのビルはあった。1階に喫茶店があり、上層階はマンションになっている。

このビルに、今回渦中となった会社は入居していた。

社名は「寿不動産」。

従業員わずか8人の会社。この寿不動産の存在が、あの2社の統合交渉の壁になった。

◆幾度も言及した透明性

キリンホールディングスとサントリーホールディングスの経営統合交渉が破談になった2月8日、先に会見を開いたのはキリンHDの加藤壹康社長だった。
「新たな統合会社は、上場会社として経営の独立性、透明性をしっかりと担保してお客様、株主、従業員の理解、賛同を得られるようにはならないと考えた」

この日、サントリー側の会見は予定されていなかった。だが、加藤社長の会見の約4時間後、佐治社長は急遽、東京・台場の東京本社ビル内で会見に応じた。

「(破談の)理由は統合比率。残念ですね。いまの時代、透明性のない経営などできるわけがない。(加藤社長が)何をもって透明性がないというのか、さっぱりわからない。加藤さんに聞いて下さい」

2人は1968年、学部は違うが同じ慶應義塾大を卒業した同窓生。加藤社長が一つ年上で、定期的に食事をともにする仲だった。そんな関係もあって俎上に上った世界5位の巨大食品メーカーを誕生させようという交渉。相思相愛のはずだった。

だが、両社に溝ができた。原因となったのは、加藤社長が会見で「統合した場合に大株主になる」と名指しした「寿不動産」の存在だったーー。

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