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真実に目ふさぐ「政治的安心」機関
食品安全委員会
ライター 長谷川 熙
それは、まるで農薬メーカーの業界団体の宣伝行事かのようだった。次の趣旨の発言が、参加した市民の間から相次いだ。
「農薬の大切さを行政は、消費者にしっかり伝えてほしい」
「不安を煽るメディアの報道を行政は押えてほしい」
内閣府食品安全委員会が2月3日に群馬県と共催し前橋市で開いた「食品のリスクを考えるワークショップ(群馬)─気になる農薬─」というリスクコミュニケーションを見てみた。
一般を対象に募った30人ほどの参加者を主催者側が5班に分け、「農薬の基礎知識」の講義などを主催者側から受けて各班ごとに話し合われた。いかに農薬が重要で安全かをこの催しでよく認識させられたという意味の発言も耳に残った。
それは、まことに現実から遊離した誘導的集会だった。
例えばこの集まりの地元の群馬県でも、鬱や統合失調症に似た症状など有機燐による各種の心身障害が多発し、乳幼児の発育に危険性もあることが県内の医師らから訴えられている。
胸痛、胸部苦悶、小児の異常行動などネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドによる心身障害も県内の医師などから指摘されている。
この前橋市での集会は、地元の有機燐禍もネオニコチノイド禍も、聞こえた限りでは素通りだった。
この行事に責任がある食品安全委事務局の新本英二リスクコミュニケーション官は、
「あれは意見交換の場で、結論ありきではありません」
と語るが、農薬を使ったキャベツはこう見事に、そうでない場合はこんな物に──といった式のよくある農薬宣伝的講義が主催者側から45分間行われ、配布された参考資料も、大雑把な法令原則や農薬の有用さのみを記述した種類ばかりだった。
そして、この宣伝的講義の直後に前出の班単位の討議があり、メディア統制必要論まで飛び出した。班には、話し合いを手助けするという世話人が付けられ、この人たちも食品安全委が養成していた。
いったい、かかる食品安全委員会とは何なのかーー。

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