2010年02月21日

売れない職場で営業再生

営業マン受難時代を組織で乗り切る

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編集部 太田匡彦 写真 篠塚ようこ


国道を走ってきた車がウインカーを出す。お客が店舗に入ってくるのだとわかる。でも、気づかないふりをしてしまう。

「接客が怖い」

軽自動車販売チェーン「トータス」厚木店で働く吉波雅生さん(24)は昨年の2月ごろ、そんな思いにさいなまれていた。

入社1年目。デキる同期と比べると自分の営業成績は「下の下」と自覚していた。 「自分が接客すれば、店舗に迷惑がかかる。行きたくない」

ちょうど世界的な不況で、自動車メーカーからは生産ラインの休止や人員削減のニュースばかりが発信されていた。村野公紀社長はこう振り返る。

「半端じゃなく売れない状況でした。社として、営業のやり方を見直す必要に迫られました」

これまでも「デキる営業マン」の成功体験を毎月のように共有したり、ハッパもかけてきた。

だが、吉波さんをはじめほかの営業マンにはもどかしさだけが募っていた。ノウハウ通りにやったつもりでも、営業成績はなかなか上がらない......。

◆自ら作ったマニュアル

村野社長は、吉波さんたち自身にマニュアルを作らせることにした。

吉波さんたちは、それぞれが普段から何げなくやっている動作を見直し、お客が来店してからすべきことを逐一記していった。半年かけて、約30ページのマニュアルを完成させた。シンプルだが、自分たちが作ったマニュアル通りやれば、成約までたどり着けるのだという自信が持てるものに仕上がった。

効果は顕著だった。今年1月、全店の販売台数は前年同月に比べて4割も増えた。吉波さんの営業成績もめざましく伸び、月間販売台数が全店のなかでトップになる月も出てきた。吉波さんは、いま営業を楽しんでいる。

長引く不況にデフレが重なり、とにかくモノが売れない。それでも、営業マンは売らなきゃいけない。でもどうすれば売れるのか。「売れる営業マン」を育てるために、いま何が必要なのかーー。

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