2010年03月07日

不平はアートになる

世界に広がる「不平の合唱団」

20100315_s_4.jpg
ライター 大橋史子


それは俺がやった仕事だ。自分の手柄にするな/近所の猫が私を無視する/保育園がいっぱいで子どもが預けられない──。

こんな出だしで始まり、仕事や恋愛、社会、政治などへの不平不満を歌う。

フィンランドのヘルシンキを拠点に活動をしているアーティスト、テレルヴォ・カルレイネンとオリヴァー・コフタ=カルレイネンが始めたアート作品「不平の合唱団」。不平を騒々しく言い合っている人たちを見て、このパワーを生かせないかと思いついたのが、不平を歌詞に乗せて歌う、というパフォーマンス。2005年に英・バーミンガムで合唱団員を公募して歌ったのを皮切りに、ヘルシンキ、ハンブルク、サンクトペテルブルク、シカゴ、シンガポール、コペンハーゲンと続いた。

東京に上陸したのは昨秋。団員公募に集まった100人は小学生から定年退職した人まで、職業も年齢もさまざま。

初めて参加者たちが集まった1回目のミーティングでは、まずそれぞれが抱えている不平や不満を付箋に書いた。仕事分野の不満が圧倒的に多かった。

4回の練習を経て、11月中旬、表参道ヒルズなどで3回の公開パフォーマンスを行った。小学生の子どもと一緒に参加した篠原里香さん(42)は、仕事と育児に追われる日々。それ以外に何かできないか、と参加した。

「自分を実験するつもりでした。見事に成功! もう一度、仕事で新しいことにトライする勇気をもらいました」

大きな不満があるわけではないけれど、それぞれ日常を少し変えたい。そんな願いは達成できたようだーー。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年2月13日号

2012年2月13日号

最新号キーワード

食の信念が揺らぐ 銀行窓販保険の魅力と危険 早慶女子「一般職がいい」 女心の複雑 「脱東電」で電気代26%節約 「驚異の儲け」グリーよ どこへ行く 絢香インタビュー 荻原博子の石巻ルポ 今年の花粉症 AKB48「恋愛で脱退」のルールと戦略 

2012年2月13日号
定価:380円(税込)
表紙:松田翔太/俳優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索