2010年06月13日

伸びる企業縮む企業

トップアナリスト16人に聞く 20業種100社の5年後

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編集部 山下 努、太田匡彦 写真 高井正彦


 アエラはメディアを始めとする20業種の「5年後」を取材した。ネットやデジタルの技術革新はビジネスモデルを激変させ、業種や国境を超えた再編・淘汰も進む。カギは中国市場への進出であり、内需だのみのメディアや金融は先行きが暗い。テレビ局が新興メディアに敗れて「地主から小作人へ」(ジャーナリスト・佐々木俊尚氏)と転落するような激動期を、トップアナリストの分析で読み解いていこう。

【メディア・通信】
出版 角川、「付録」の宝島が好調 小学館は選択と集中が課題
信用調査会社幹部

 電子書籍の登場で、書店や取次などの書籍流通が中抜きされ、本の価格が3分の1になるのが衝撃だ。

 定価販売などによって出版市場を守る日本独特の慣行、再販制度が電子書籍の登場によって事実上崩壊する。業界の淘汰が進み、出版社数と人件費は5年後には半減するだろう。

 大手といえども安泰ではない。小学館はドル箱のコミックの落ち込みが大きく、選択と集中による赤字体質脱却には時間がかかる。希望退職募集に踏み切った光文社やマガジンハウスは、雑誌頼みで部数と広告の確保がカギになる。

 最大手の講談社も正社員のリストラに未着手で、系列の光文社を救済する余裕はない。伸びそうなのは角川グループホールディングス。出版・映像・クロスメディア事業も含めた総合メディア企業として、企業買収を含めた経営戦略が巧みだーー。 ファッション誌では、「付録商法」でひとり勝ちの宝島社もいい。ただ、「低コストで本をつくる商法」がどこまで通用するか、業界は注視している。  再販制度の下では、新刊書を取次に流せば売り上げが立つため、部数が伸びない不況下では新刊点数を増やして資金繰りをしている会社も多い。しかし、返品をかぶれば逆に取次への支払いが発生し、自転車操業に陥る。  書店も大型店化が進み、中小の廃業や系列化が続いている。再販制度や電子出版の動向次第ではさらに再編・淘汰が進む。この5年が正念場で、全国に「文化過疎」地域が拡大しそうだ。

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