2010年07月04日

「新卒切り」当事者たちの告白

私はこうして「退職」に追い込まれた

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ライター 木村礼子


 こざっぱりとしたTシャツに綿のパンツ姿。早朝から荷物仕分けのアルバイトをしてきたという女性(23)は、記者を見つけると駆け寄ってきて、「遠くまできていただいてありがとうございます」と頭を下げた。

 彼女は今年3月に関西の大学を卒業し、4月にとある公益法人に入社した。就職活動を始めたのは3年生の夏休み。4年生の5月に最終面接までいった第一志望の企業に不採用となり、気落ちしたせいかその後、内定が取れずにいた。

 卒業を目前に控えた今年3月になって、求人サイトで見つけた公益法人に履歴書を送るとすぐ面接に呼ばれ、本社で一度面接を受けた3日後に、内定の電話があった。

 それまで苦労してきただけに「簡単すぎる」と感じたが、卒業前に就職先が決まったという安堵感の方が大きかったと彼女は言う。3カ月後にこの会社を「退職」することになろうとは思いもしなかった。彼女は、「新卒切り」にあったのだ。

「新卒切り」の詳細は後に譲るとして、彼女が「退職」に至った経緯はこうだ。

 入社後、3カ月は試用期間であること、事務の知識や顧客対応に関する2週間の研修があること、研修終了後の確認テストに合格することが配属の条件であることを説明された。その確認テストで、彼女は「不合格」になる。上司は、「自分の言葉で書いていない」「やり方を直さなければ、何度テストをしても受からない」と繰り返した。その後は雑用をさせられ、ことあるごとに「聞いたことは一度で覚えろ」「自己判断ばかりするな」と叱責された。やがて、上司のそばへ行くと手が震えるようになっていた。

 5月半ばには上司に呼び出され、「テストに合格しないまま正式な仕事に就けない状態をいつまで続けるのか」と問いただされた。彼女が、この状態を続けるのは難しいと答えると、「辞めるということでいいんだな」と畳みかけられ、思わず、

「はい、と答えていました」

 ほどなく正式に退職を勧められ、「自己都合退職」の書類にサインしたーー。

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