2010年08月22日

老いた親よ、いなくなれ

「家族同居が幸せ」は大ウソ

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編集部 鈴木琢磨、諏訪満里子、井上和典、東川哲也(写真)


 ハルコさんは、今年1月、胃がんで夫に先立たれた。現在は、病気療養中の長女(39)と、都心から電車で90分の群馬県内で2人暮らし。だからこそ、埼玉に住んでいる長男に法要を営んでもらいたかった。

 しかし、長男は、

「嫁の都合があって、父の法事には行けない」

 と言って、法要に来なかった。

 夫を亡くしたハルコさんを、長男は自宅に呼び寄せようとした。だが、拒否し続けた。理由は、生活に困らないだけのお金を持っていたから。250万円かかった夫の葬儀費用は、全額自分で出した。自らの葬式代も、すでに用意してある。

 一方で長男は、結婚資金の300万円やマンション購入時の頭金500万円、借金返済用の300万円、地元で塾を開くための店舗改装代300万円など、合計約1500万円を、ハルコさんに、

「貸してよ」

 とせがんできた。その度にハルコさんは貸した。

 返してもらえないのはわかっていた。返せと言うつもりもない。ただ、頭金を出したときに長男の嫁からもらった「いつかお返ししたい」と書かれた手紙だけは、大事にとってある。

 いつしか親子の関係は、「お金」でのつながりが強まっていた。家族のつながりとは。愛される老人とは──。

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