シネマ食堂

2009年11月06日

「武士の一分」/芋がらの煮付け

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フードスタイリスト 飯島奈美


目をつぶってもわかる
「記憶を呼ぶ味」


料理制作を担当した映画「ヴィヨンの妻」でつくづく感じたのが、ほんの数十年前までは、妻は夫のためだけに尽くすことが当たり前だったということです。山田洋次監督の「武士の一分」(2006年、日本)でも、献身的な妻が描かれています。

下級武士の三村は、藩主の毒味役を務めて毒にあたり、失明してしまいます。仕事も生きる希望も失い、家計のために番頭に近づいた妻さえも追い出した三村は、番頭との果たし合いを決意します。

今でこそ女性には家庭のほかにも活躍の場がありますが、あの時代に生きていたらどうなっていたのだろうと考えてしまいます。ただ仕事柄、失明した三村が気づく「妻の味」はとても気になります。家族が目をつぶって食べてもわかるような「自分の味」や「我が家の味」を持てることも幸せなのかもしれません。

芋がらとは里芋の茎を乾燥させたもの。雪深い土地では保存食として重宝されていたようです。スーパーの乾物コーナーで探してください。繊維が豊富でシャキシャキとした食感。映画では、この芋がら煮と味噌汁、ご飯という質素な食卓でしたが、今なら油揚げやこんにゃくを加えて常備菜に。地味だけど記憶に残る「我が家の一品」になってくれるはずです。

◆レシピ

2人分
芋がら(乾燥) 40g
油揚げ 1枚
だし汁 400cc
A
砂糖 大さじ2/3
みりん、しょうゆ 各大さじ1
酒 大さじ2

油 小さじ1

(1)
芋がらは水に10分つけ、5分ゆでて水にとり、絞って5cmの長さに切る。油揚げは油抜きをして半分に切ってから細切りにする。

(2)
鍋に油を熱し、芋がら、油揚げを炒め、だし汁とAを加える。

(3)
落としぶたをして汁がほとんどなくなるまで煮る。


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武士の一分 , 芋がらの煮付け

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