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「芝居で飯を食う」ことを書いた『シアター!』
有川浩の『シアター!』を読みました。
著者はライトノベル出身ですが、『図書館戦争』などの人気作もあり、もう少し幅広い読者に支持されてるんじゃないかと思います。
ただ、なんとなくファンタジー色の強い作家なのかなと思っていました。
ところが、この『シアター!』は、小劇場劇団を舞台にした結構リアルな話だと耳にして、手に取ってみたのです。
芝居をやっている。特に自分達で劇団をやっているのであれば食えなくても当たり前。バイトをやって生活費を稼ぎ、自主公演を打ってもそれで赤字が出なければめっけもの、劇団の公演で飯が食えるなんて夢の夢。
こんな考え方は、芝居をやっている若い人間ならごく普通のことでしょう。
僕も、そう思っていました。
『シアター!』という小説は、そこに疑問を投げかける。
主人公は、普通のサラリーマン。
劇団をやっている弟が、300万円の大赤字を出して劇団解散の危機になり、兄に借金を泣きつくところから物語は始まります。
兄は諸々事情があって、弟に芝居を諦めさせようと「これから2年間、劇団の収益だけで借金を返済する。それができなければ劇団は解散」という条件で金を貸す。しかも、劇団の状況を確認するため、経理を自分で見ることになるという展開です。
これまでも、いくつか小劇場や芝居の世界を舞台にした小説を読んだことはあるのですが、だいたい役者の話が中心で、これだけ「金」をテーマにしている作品は初めてでした。
「劇団は赤字で役者はノーギャラまたは持ち出しなのに、なぜ、スタッフにはギャラを払う。食えていない人間達が周辺の技能職を養っている構造などというのは、他の業種ではあり得ないのではないか」
「面白いだけの芝居は、軽く見られて正当な評価を受けないらしい。だが、一般の客を集めるのは、そういう見やすい面白い芝居だろう。一般客に間口を広げ新しい層を開拓する商品が冷遇される業界は、社会のメインストリームになれないのではないか」
兄が、小劇場界を客観的に見たときに感じた意見です。
多分、それは著者の有川さんが、小劇場界を取材して感じたことではないかと思います。
この世界にどっぷり浸かっている僕には、すごく新鮮でした。新鮮でしたが、すごくうなずけもする。
新感線も10年前までノーギャラでした。
当時で多分一公演7000人くらいは動員していたと思います。
それでもギャラは出なかった。芝居では食えなかった。言ってみれば趣味です。みんな他のことで金を稼いでいた。
新感線の芝居自体はやりがいがあったし、自分達の舞台は金食い虫だから、それだけ動員していても、人件費までは出ないことも納得はしていた。
でも、「7000人動員しても飯が食えないんなら、芝居で飯を食うためにはどこまで上を目指せばいいんだ」と、漠然とした閉塞感があったのも事実です。
自分達の場合は、たまたま、そこから10年で飛躍的に動員が延びました。
でも、理由は未だによくわからない。
面白い芝居を作り続けてきたという自負はあるし、いくつもの幸運な出会いがあったのも事実です。
ただ、「こうやったから、今これだけの人達が興味を持ってくれるのだ」と、はっきりしたノウハウが言えるわけではない。
今でも、時々、今、自分達がこんなことをやれるポジションにあることを不思議だなあと思うことがあります。
なんとなく乗りきっては来たものの(もちろん、制作サイドの多大なる努力があったおかげですが)、他者からの視点をこうやって突きつけられると、改めてこの業界の矛盾に気づきます。
なるほど、小劇場の世界を書くのにもこういう手法があったのかと感心した一冊でした。
著者はライトノベル出身ですが、『図書館戦争』などの人気作もあり、もう少し幅広い読者に支持されてるんじゃないかと思います。
ただ、なんとなくファンタジー色の強い作家なのかなと思っていました。
ところが、この『シアター!』は、小劇場劇団を舞台にした結構リアルな話だと耳にして、手に取ってみたのです。
芝居をやっている。特に自分達で劇団をやっているのであれば食えなくても当たり前。バイトをやって生活費を稼ぎ、自主公演を打ってもそれで赤字が出なければめっけもの、劇団の公演で飯が食えるなんて夢の夢。
こんな考え方は、芝居をやっている若い人間ならごく普通のことでしょう。
僕も、そう思っていました。
『シアター!』という小説は、そこに疑問を投げかける。
主人公は、普通のサラリーマン。
劇団をやっている弟が、300万円の大赤字を出して劇団解散の危機になり、兄に借金を泣きつくところから物語は始まります。
兄は諸々事情があって、弟に芝居を諦めさせようと「これから2年間、劇団の収益だけで借金を返済する。それができなければ劇団は解散」という条件で金を貸す。しかも、劇団の状況を確認するため、経理を自分で見ることになるという展開です。
これまでも、いくつか小劇場や芝居の世界を舞台にした小説を読んだことはあるのですが、だいたい役者の話が中心で、これだけ「金」をテーマにしている作品は初めてでした。
「劇団は赤字で役者はノーギャラまたは持ち出しなのに、なぜ、スタッフにはギャラを払う。食えていない人間達が周辺の技能職を養っている構造などというのは、他の業種ではあり得ないのではないか」
「面白いだけの芝居は、軽く見られて正当な評価を受けないらしい。だが、一般の客を集めるのは、そういう見やすい面白い芝居だろう。一般客に間口を広げ新しい層を開拓する商品が冷遇される業界は、社会のメインストリームになれないのではないか」
兄が、小劇場界を客観的に見たときに感じた意見です。
多分、それは著者の有川さんが、小劇場界を取材して感じたことではないかと思います。
この世界にどっぷり浸かっている僕には、すごく新鮮でした。新鮮でしたが、すごくうなずけもする。
新感線も10年前までノーギャラでした。
当時で多分一公演7000人くらいは動員していたと思います。
それでもギャラは出なかった。芝居では食えなかった。言ってみれば趣味です。みんな他のことで金を稼いでいた。
新感線の芝居自体はやりがいがあったし、自分達の舞台は金食い虫だから、それだけ動員していても、人件費までは出ないことも納得はしていた。
でも、「7000人動員しても飯が食えないんなら、芝居で飯を食うためにはどこまで上を目指せばいいんだ」と、漠然とした閉塞感があったのも事実です。
自分達の場合は、たまたま、そこから10年で飛躍的に動員が延びました。
でも、理由は未だによくわからない。
面白い芝居を作り続けてきたという自負はあるし、いくつもの幸運な出会いがあったのも事実です。
ただ、「こうやったから、今これだけの人達が興味を持ってくれるのだ」と、はっきりしたノウハウが言えるわけではない。
今でも、時々、今、自分達がこんなことをやれるポジションにあることを不思議だなあと思うことがあります。
なんとなく乗りきっては来たものの(もちろん、制作サイドの多大なる努力があったおかげですが)、他者からの視点をこうやって突きつけられると、改めてこの業界の矛盾に気づきます。
なるほど、小劇場の世界を書くのにもこういう手法があったのかと感心した一冊でした。

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