[マガジン百名山]

2008年07月18日

【グラマラス】/大人に流行「趣味のバレエ」

アラサー世代の大人ギャル市場を睨む女性誌といえば、若干テイストの差はあるけれど、「グラマラス」(講談社)、「グリッター」(トランスメディア)、「ジゼル」(主婦の友社)、「スウィート」(宝島社)の4誌が挙げられると思う。中でも「グラマラス」は超大手出版社発行というアドバンテージを生かし、思い切った試みが可能なこともあり、要注目の雑誌に成長した。

たとえば、今年4月号で行った乳がん撲滅キャンペーン「ピンクリボンチャリティ」では、蜷川実花が撮り下ろした10人の女優、タレントのヌード・ブックを付録にし、大々的に記者会見を行った。こうした大人ギャルらしい「社会とのかかわり方」が鮮やかなのだ。

ファッションに疎い人間から見れば、単にチャラけた格好に見えかねない、ギリギリのスタイリングはハードルが高い。が、何しろ「大人」である。安っぽいブランドはチョイスしないから、スレスレのところで下品にはならない。つまり、「チャラチャラ」じゃなくて「セクシー&ゴージャス」に変換されるべき、モードな大人ギャル仕様を提案しているのである。

となると、いまは亡き「ニキータ」が「乳間ネックレス」をジャラつかせていたのとどこが違うの?という質問が飛んでくるかもしれないが、コムスメを目の敵にせず、「大人だけど私もギャル」と平和的にコムスメと「同じ価値観」を共有している点が決定的に違うと思う。その志向がよくわかるのは登場するモデル選びで、37歳の平子理沙から18歳の松島花まで、普通の女性誌ではありえない「幅の広さ」を誇る。

エッジが利いているから、万人向けではない。しかし、明確な志のある雑誌だ。長命を祈りたい。


中沢明子 (なかざわ・あきこ)
1969年東京都生まれ。ライター。毎日どこかの本屋に出没する雑誌好き。書評のほかインタビューやルポなども手がける。






ギャル , グラマラス , 中沢明子

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