押切もえ[日々、萌え。]

2010年08月20日

いざというときは、冒険したい!

 一歩踏み出してみると、なぜこんなことを怖がって、動き出せずにいたんだろう、と思うときがあります。大人になればなるほど、失敗が怖くなる。挑戦ができなくなってくる。20代後半、私の心にモヤモヤと立ち込めていた闇の正体は、まさにそんなおそれや不安だったんだろうな、と思います。仕事でもプライベートでも、新しいチャンスが目の前まで来ても、「できなかったらどうしよう」とか、「空回りしたらどうしよう」なんて、始める前から勝手にプレッシャーをかけていました。十分に準備をしていたって自分を信じきれていなかったから、結果や作品の仕上がりにも満足がいかない。そんな中途半端さは、当然のように、見ている人にも伝わってしまっていたんじゃないかな、と、今、思いっきり反省しているところですが...。

 ムック『reborn~「30歳」で生まれ変わる。』の話を書き続けてしまっていますが、発売後に連載の記事を書くのは初めてのこと。早くもたくさんの方から感想をいただいたので、今回もぜひ、お話しさせてください。

 いただく感想の中で、予想していた以上に「今すべきことがわかっているのに、なかなか前進できませんでした」という声が多いことに驚きます。その後に、「─でも、この本を読んで、とにかくやってみようという気持ちになりました」...と続けてくれるので、こちらも救われる思いですが...、ここで、『reborn』取材中に、藤田晋社長がおっしゃったことを思い出します。それは、「ちょうど今の30歳ぐらいの人に、20代にそれはもう熱心に仕事を頑張ってきたのに、30歳を迎えるぞ、という直前で、急に勢いがなくなって、おとなしくなってしまう傾向がある」─というお話でした。それまでに築いてきたものがあるゆえに、転機の時に、失う可能性がある選択に臆病になってしまう、ということでしょうか。今の日本の経済状況もそれを左右する大きな要因の一つになっていそうです...。

 私の場合は、20歳で仕事としてモデルを始めて、失うものなんて何ひとつなかったので、とにかく前だけを向いて進んできました。そして、「モヤモヤ」の時期がやってきた。20代後半で急に、「こんなに子どもでいいのかな?」と、「一生懸命」になることが怖くなってしまったんです。でも、この連載でも書いてきたように、習い事に没頭したり、友達から人見知りすることを怒られたり、一人なぜか京都の山に登ったり、失恋してへこんだりして...たくさん人に出会って、話を聞いて、吹っ切れた。新しいことでも、失敗したっていいじゃない?と思えるようになった。30歳。まだゴールはここではないのだから、と素直に思えました。

 経験があるから慎重さも備えているけれど、いざという時は冒険もできる。バカみたいにくだらない話をしながら、おっきな夢を語れる人でいたい。

『reborn』が発売された日に、本誌編集のK氏がこう言っていたことを人づてに聞きました。「ときには子どもになることだって、『勇気』なんだよ!」と。─今、私の前に「闇」はありません。

『reborn~「30歳」で生まれ変わる。』 , 押切もえ , 藤田晋

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