特ダネ記者魂

2009年02月03日

さらばエンジン/幕が開いたモーター車の時代/新「F1」を日本で!

[山田厚史の特ダネ記者魂]

ホンダが燃料電池で走る乗用車の開発に成功した。燃料は水素。酸素と結合したとき起こる電気でモーターを回す。水素は化学反応で水になり、CO2は出ない。各社が開発を競っていた究極のエコカーだ。減産など暗いニュースの中で快挙は霞んでしまったが、世界不況を超える指針を考えるなら、燃料電池車の登場は注目されていい。

中国やインドが車社会に突入したらガソリンエンジンの時代は終わる、と言われてきた。T型フォードが1908年に生まれて以来、車は石油で走り続けてきた。100年たって環境の壁にぶち当たった。洞爺湖サミットの約束を守るならクルマはエンジンを捨てるしかない。

ホンダはエンジンを売り物にしてきた。ブランドを確立したのはオートレース最高峰のF1。連戦連勝でエンジンの凄さを世界に見せつけた。だが、「エンジンに頼り切っては未来がない」と10年前ひそかに燃料電池のチームを結成。そしてF1撤退を表明した昨年末、ほぼ同時期に燃料電池車「FCXクラリティ」を発表した。

実際に乗ってみた。居住性、乗り心地、デザインのいずれもガソリン高級車にひけを取らない。「燃料電池車では世界最先端」と開発責任者は自負する。

米国ではオバマ大統領がグリーン・ニューディール政策を打ち上げた。環境と調和する産業を公共事業で後押しする。斜陽の自動車産業を挽回させようと官民一体で自動車の電化に取り組む。電気自動車の技術は日本が先行しているが、零戦がやがてグラマン戦闘機に歯が立たなくなったように、あるいは日本の太陽光発電がドイツに追い越されたように、技術の興亡は産業政策と無縁ではない。

最先端の燃料電池車を作っても水素スタンドがなければ宝の持ち腐れだ。脱石油の産業インフラは新たな需要創造に欠かせず、政府の役割は特に大事だ。一方、民間は新技術を磨く。例えば電気自動車のF1レースはどうか。技術は頂点で磨かれる。未来を切り開く日本発のモータースポーツがあっていい。

f1 , honda , obama , エネルギー , オバマ , ホンダ , 山田厚史 , 燃料電池

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