特ダネ記者魂

2009年03月10日

首相もかみついた小沢代表の発言/「第7艦隊で十分」は真っ当な認識だ

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

民主党の小沢代表が2月24日、記者団に、「米海軍の第7艦隊だけで米国の極東でのプレゼンス(存在)は十分」と述べたことに自民党はかみつき、麻生首相も「空軍も陸軍も要らないとは、防衛に知識のある人とは思えない発言」と非難した。自民党寄りの新聞は社説で「日本の防衛と日米同盟の根幹を否定しかねない発言」と批判。民主党の政権担当能力を問う声が上がっている。

だが現実には、日本にいる米空軍戦闘機は沖縄・嘉手納にF15が24機、青森・三沢にF16が18機だけ。それも中東などに展開することが多い。日本の防空は1959年以来、航空自衛隊(戦闘機360機)が一手に担ってきた。米陸軍は約2500人、大半が補給、情報要員だ。

韓国の米陸軍の主力、第2歩兵師団は戦闘部隊の半分、1.2万人をすでに削減。残りも前線を離れてソウル南方の平沢に移す計画だ。2012年に戦時指揮権を韓国軍に渡すことも決まっている。米軍が外国軍の指揮下に入ることはまずないから、米陸軍は朝鮮半島から手を引く姿勢で、在韓米陸軍司令部も廃止と伝えられる。その代わりに神奈川・座間に小型の第1軍団司令部(約300人)を置く、との話だったが、07年に90人程度が来ただけで、形ばかりだ。

沖縄の米第3海兵遠征軍は1.2万人のうち8千人を14年までにグアムに移す計画で、沖縄に残るのは長崎・佐世保に4隻いる揚陸艦に乗り組む第31海兵遠征隊(約2千人)に兵力を出す第4連隊(歩兵)と、ヘリコプター(31機)を差し出す第36海兵航空群(現在、沖縄・普天間)程度になりそうだ。第31遠征隊は第7艦隊の陸戦隊で、騒乱などの際の在留米国人の避難を主任務とする。

財政危機で延期の可能性もあるが、米国は強大な海軍で世界的制海権を維持しつつ、他の在外部隊は整理を進め、日本政府も海兵隊のグアム移転経費の一部353億円を来年度予算に計上し、再編を支援している。

小沢氏の政治資金の認識は疑問でも、軍事情勢の認識はなかなかのもの、と言えよう。

田岡俊次 , 米軍 , 自衛隊

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