特ダネ記者魂

2009年08月25日

使おう国民審査/一票格差「合憲」の最高裁判事に×を

[山田厚史の特ダネ記者魂]


衆院選と同時に行われる「国民審査」に関心をお持ちですか。最高裁判所の裁判官が適任か、有権者が一人ずつ品定めして、不適と思う裁判官に×をつける。審査を受ける判事が18日告示された。桜井龍子、竹内行夫、金築誠志......。前回衆院選の後に任命された人たちだが、この人たちがどんな仕事をして、いかなる考えをお持ちなのか、知っている有権者はほとんどいないだろう。

知らない人の評価はできない。×は付けにくい。よって全員が「信任」。審査といいながら現状は儀式でしかない。判定を迫るなら十分な情報を提供するのが当然と思うが、そうなってはいない。裁判員制度では税金をふんだんに使ってPRに努めた法務省も、国民審査は音無しの構え。関心ある人は自分で調べなさい、ということなのだろう。

そんな中で「一人一票実現国民会議」が先日、インターネットの中に立ち上がった。

発起人の升永英俊弁護士に尋ねると「日本の公職選挙法はひどいものです。有権者の過半数が、ある選挙区の1票に比べ0・6票以下の価値しかない。こんな不正義は国民の手で直さなければ」と言うのだ。

選挙区割りは国会が決める。当事者である国会議員が自分の手で正すことは難しかろう。「是正できるのは違憲立法審査権を持つ最高裁です。しかし裁判官の多数派は『一人一票』に背を向けている。流れを変えるには『一票の格差』を合憲とした裁判官に有権者が×を付けることです」

2007年6月、最高裁は「一票の格差2.17倍」を合憲とした。この時15人の裁判官のうち9人が「合憲」。残る6人のうち4人が「直ちに違憲とは断定できない」としながら「憲法の趣旨に沿うものとは言い難く、是正を要する」と灰色の判定。「憲法違反」を明確に主張した裁判官は2人だけだった。

今回、有権者が○×を求められる9人の中に「合憲判決」に加わった裁判官が3人いる。涌井紀夫(67)、那須弘平(67)、田原睦夫(66)の各氏だ。涌井、那須の両氏は「合憲」とした。田原氏は「灰色」の判定だった。

国民会議の趣旨は「涌井、那須には×を」である。さて、あなたはどう判断しますか。

国民審査 , 山田厚史 , 総選挙

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