特ダネ記者魂

2009年12月22日

自衛隊法に違反か? 小泉議員が引率した横須賀基地見学会

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

小泉純一郎元総理の後を継ぎ8月の衆院選で初当選した小泉進次郎氏は12月13日、自民党本部が主催した海上自衛隊横須賀基地の見学会に応募した約5000人の中から抽選に当たった49人を引き連れ、ヘリコプター空母「ひゅうが」などを訪れた。その際小泉代議士は基地内の国の施設である厚生センターで演説し、民主党の小沢一郎幹事長が600人余(うち民主党国会議員140人余)を同道して訪中したことを批判した。その場景が参加者が撮影したビデオによりテレビで放映されたのには驚いた。

自衛隊法は自衛隊員に許される政治的行為を「選挙権行使」に限っていて(同法61条)、自衛隊法施行令87条には禁止される政治的行為の一つとして「政治的目的のために国の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること」が挙げられている。その「政治的目的」の定義(同86条)には「特定の政党その他の政治団体を支持し、又はこれに反対すること」が含まれている。小泉氏は「自民党再生のために」この見学会を企画した、と語っているから、自衛隊の庁舎、施設、資材を政治的目的に使った疑いがあり、利用させた責任者は外形的には自衛隊法違反として「3年以下の懲役又は禁錮」にあたる可能性がある。演説については「艦の見学と厚生センターでの昼食、休憩を許可、案内しただけで、政治演説をするとは思わなかった」と故意を否定することはできようが、演説がなくても政党が党勢拡大のために自衛隊を利用すること、それを許すこと自体に問題がある。

国会議員が自衛隊施設を視察するのは当然だし、一般国民の見学もなるべく認めるべきだが、国会議員が支持者を連れて入るのに協力することは自衛隊の政治的中立性を疑わせる。野党にそれを許せば与党にも認めないと中立ではなくなる。どの民主制国家にとっても軍の政治的中立は極めて重要な原則で、自衛隊法は政治的行為に対し「上官の命令に対し多数共同して反抗」と同じ懲役、禁錮3年で臨んでいるのだ。他国と同様、政権交代が日本でも常態化する中、自衛隊は一層政治的中立の姿勢を示して信頼をえる必要があり、今後この種の催しは原則として断るべきだ。

小泉純一郎 , 小泉進次郎 , 田岡俊次 , 自衛隊

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