特ダネ記者魂

2010年01月19日

空に国家戦略を/外資に売るよりJAL・ANA合体

法的整理が決まった。ではJALはどうなるのか。上場廃止や稲盛氏のトップ就任、メディアは目先ばかり追うが、鳩山政権がJALをどうしようとしているのか、全く見えない。企業再生支援機構に持ち込むとしても、自力で世界に羽ばたくのは容易ではない。

選択肢は二つ。デルタ航空など米国資本の翼下に入るか、それとも国際線をANAに売り国内線に徹するかだ。外資の出資を受ければ日産自動車の轍を踏むだろう。存続はしたがルノーグループに組み込まれ、配当は吸い上げられ、環境技術も製造技術も握られた。

世界の航空大手にとってJALは垂涎の的だ。ドル箱の太平洋航路やアジアの路線権が手にはいる。航空官僚には、外資のネットワークに組み込んで存続を図りたい人もいるようだ。JAL社員のプライドもあろう。だが「JALの権益を外資に渡していいのか」という声もある。路線や発着枠は航空交渉の成果であり「国益」の塊だからだ。

ドイツでさえ国際線はルフトハンザだけ。英仏も1社に絞り込まれた。

アジアの空は波乱含みだ。朝鮮半島からインドまで、夥しい人口が動き出そうとしている。主要都市をつなぎ効率的に飛ぶ競争が始まった。アジア勢は後発ながら、手厚いサービスと安い人件費で人気は上がっている。

地域で見れば北東アジアで生き残るのはせいぜい3社と言われる。日中韓が競合する中で日本の2社が残れるだろうか。ハブ空港さえない日本は明らかに出遅れている。

12月30日の関係閣僚会議は激論が飛び交った。「国際線1社・2社」を比較する検討案が出されたからだ。峰崎財務副大臣が「方向をはっきりさせるために」と敢えてJAL・ANA合体の優位性を示唆した。前原国土交通相は「越権行為」と言わんばかりに反発したという。議論はいいことだが、ハラを固める頃合いだ。JAL再建は、処理の仕方を論ずる段階を超えた。焦点は、アジアの空に存在感ある日本のエアラインを築けるか、である。今の事態は国際線2社体制の末路とも言える。ハブ空港をどうするかも絡め、空の国家戦略が問われている。「ナショナルフラッグ」の意味を改めて噛みしめる局面である。

ANA , JAL , 山田厚史 , 航空

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