特ダネ記者魂

2010年01月26日

機敏な中国の救援、中米に存在感示す。日本はまた出遅れ

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

1月12日午後5時(日本時間13日午前7時)、カリブ海のハイチで起きた地震の被災者は300万人を超え、死者は約20万人とも見積もられる。米国は空母カール・ヴィンソンや輸送機をただちに出動させ、第82空挺師団や、揚陸艦バターン等に乗る第22海兵遠征隊など人員1・2万人を18日までに投入した。中国の救援隊約50人は当日夜9時30分(日本時間13日午後10時半)にチャーター機で北京空港を出発、翌日現地に入った。米軍がマイアミから1200キロのハイチに一番乗りしたのは当然だが、1万6000キロも離れた北京から第2着で救援隊を送り込んだ中国の機敏さは驚嘆すべきだ。

日本の国際緊急援助隊は調査団6人が14日午後6時前に成田を出発、医療チーム24人は16日夜9時に出発、17日午後に現地入りした。すでに約30カ国の救援隊が着いていたし、自衛隊に派遣命令が出たのは20日だった。米国が救援隊を大量投入したのは、ハイチに米国民4万人以上が在留し、自国民を救助する必要があるうえ、「裏庭」であった中南米で反米、あるいは離米的政権が増える中、米国の存在感を示し、友好関係を回復する機会でもあるためだろう。中国はハイチに国連のPKO活動の一部として、警察官125人を送っていて、発生当時、ハイチに出張し国連事務所で会議中の中国公安部(警察庁に当たる)の装備・経理局長ら高官8人が瓦礫に埋まった(全員死亡)ため切迫感があったろう。また台湾と国交を持つ23カ国中、ハイチを含む11カ国は中米にあるため、素早い救援活動は外交上も得策だ。

中国は現地の警察部隊との連絡が途絶えたため、「一大事」と判断、ただちに救援隊派遣を決めた、と報じられる。日本のようにまず調査団を出し、現地の「ニーズ」と安全を確かめて後に救援隊を出す、という官僚的な慣行では、円滑に無駄なく活動ができても、他国に遅れをとる。大地震の際、何が必要かは容易に想像がつくはずで、若干の混乱や無駄、不足はあって当然だ。江戸の町火消しのように現場に早く駆け付けマトイを立てるのは国の存在感を示す上で一つの手柄だろう。

ハイチ , 中国 , 地震 , 田岡俊次

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