特ダネ記者魂

2010年02月09日

  • 「中国と協力」強調/安保改定50周年日米の共同声明をはてなブックマーク
  • 「中国と協力」強調/安保改定50周年日米の共同声明をLivedoor クリップに追加
  • 「中国と協力」強調/安保改定50周年日米の共同声明をBuzzurlにブックマーク

「中国と協力」強調/安保改定50周年日米の共同声明

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

日米安保条約の改定50周年の1月19日、日米の外交、防衛担当閣僚4人は共同声明を発表したが、その中に「中国が国際場裏に於いて責任ある建設的な役割を果たすことを歓迎し、日本及び米国が中国との協力関係を発展させるために努力することを強調する」という一文が入っている。日本では20年前に終わった冷戦時代の世界観から脱却できないタカ派、バカ派が多く「日米同盟は中国に対抗するため」との観念が根深い。だが、この共同声明は逆に、日米が一層中国と協力することを宣言している。日本の右派が騒ぎ立てないのが不思議だ。たぶん、共同声明を読んでいないのだろう。

この一文は日米に民主党政権が生まれたから書き込まれたものではない。05年2月19日、日本の自民党政権と米国の共和党政権の外交、防衛担当4閣僚がワシントンで発表した「共通の戦略目標」にもほぼ同じ文言があった。ただ前回はそれに続けて「中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す」など、中国への警戒感も示していたのに対し、今回の共同声明は手放しで「中国との協力」をうたっている。これはもちろん経済・財政の現実の反映だ。今年度の米国の財政赤字は過去最大の1・56兆ドルに達し、その後も巨額の赤字が予測されている。米国債約8千億ドルを保有している中国と、約7千億ドルを持つ日本の両方に米国は良い顔をせざるをえない。2兆ドル以上の外貨を貯め込んだ中国は米国のウォール街の最大の顧客でもある。日本にとっても中国は最大の輸出相手国だから、中国との協力関係は日米安保条約の目的の一つとして強調されるまでもなく、自ずと発展している。中国には米国系企業2万4千社以上があり、11万人余の米国人が住む。日系企業も2万3千社があって日本人12万人余が住んでいる。中国の貿易黒字の過半は外資系企業が稼ぎ出すものだ。

共同声明に入ったこのセンテンスは日米安保条約が中国に対する同盟ではないことを中国に表明すると同時に、今後米国、あるいは日本が中国とさらに接近しても、互いに文句を言わないことを意味するものと言えよう。

安保 , 日中 , 田岡俊次

バックナンバー

アエラ最新号

2010年3月29日号

最新号キーワード

社会主義化するニッポン経済 米・電子新聞事情 政界再編 クロマグロ 日経電子版 温泉革命 ゴロカツ女 ママ×包茎 夫婦×セックス 上海中間層家族 エコジョ ナイツ メロン記念日 鈴木おさむ 読書会 みずほ シー・シェパード グルジア 英会話教師@福岡 日比谷高校

2010年3月29日号
定価:380円 (税込み)
表紙:鈴木おさむ/放送作家

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入