特ダネ記者魂

2010年03月16日

民主も自民もダメ/民意が窒息する幻想の2大政党制

[山田厚史の特ダネ記者魂]

「せっかく政権交代したのに民主党らしさが見えてこない。むしろ前と変わらないとの思いが国民の中に広がっている」

 その通り。そう言うのが鳩山首相なのだから有権者は困ってしまう。政権支持率は40%を下回った。「政治とカネ」が足を引っ張っているという。そればかりではあるまい。

「友愛」「格差の是正」「新しい公共」。理念は美しい。演説も立派だ。だがやっていることがおかしい。民主党が何を目指しているのか、見えない。

 典型は普天間飛行場の移転問題だろう。「県外移設」を公約に掲げた民主党が、言葉通り方針を貫くのか、そこが問われている。沖縄の基地をどう考えるのか、「対等な日米関係」とはいかなるものか。「民主党らしさ」をはっきりさせる課題なのに。「辺野古陸上案」なら自民党政権と違いは見えない。

 県外・国外への努力がないまま「辺野古」となれば、民意から見放されるだろう。

 参院選は惨敗だ、小沢幹事長が許すはずはない、今度の訪米で打開策を探るに違いない、などの観測が流れている。結局は小沢さんか、というガッカリ感が有権者に広がっている。

「温室効果ガス25%削減」を打ち上げ、政権交代で政治は変わる、と印象づけた地球温暖化対策も後退している。期待した環境NGOは「首相は経産省や産業界に引きずられている」と失望の色を濃くしている。高校授業料無償化も中井国家公安委員長が「朝鮮学校」への支給を問題視して混乱している。

 国会議員が政府に乗り込んで政治主導を実現するはずだった。だが官僚は手強かった。政務三役は包囲されレクチャー漬けにされる。たちまち官僚に引きずられる政治になった。

 民主党に政策ビジョンがなく、確固たる方針を決める党内民主主義が貫かれていないことに原因がある。

「民主的な政党だと思っていたけど」。そんなぼやきを若手議員からよく聞く。議論がない、誰が決めるのかはっきりしない。政治家にも欲求不満が募っている。もはや「政治とカネ」の問題ではない。民主党の統治能力が問われている。

 では自民党に逆戻りさせれば済むのか。「核密約」を見ても国民を裏切った政策が長くつづいていた。政権交代可能な2大政党制というシステムは、絵に描いた餅だったのか。

中井国家公安委員長 , 小沢幹事長 , 政権交代 , 環境NGO , 県外移設 , 高校授業料無償化 , 鳩山首相

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