特ダネ記者魂

2010年08月03日

辺野古建設と一体/海兵隊グアム移転延期の公算大に

[田岡俊次の特ダネ記者魂]

 沖縄の米海兵隊約1万5千人のうち約8千人と、家族約9千人を2014年にグアムに移転させ、その経費の約6割、60.9億ドルを日本が負担することは06年5月に日米外務・防衛担当大臣の4者会議で決まり、さらに09年2月、両国間の協定として調印された。だがそれが期限どおりに実行されない可能性が高まってきた。米下院歳出委員会は7月23日公表の報告書で「2017年か、それ以降」との見方を示し、米側の移転予算を64%削減した(24日、朝日夕刊)。グアムの電力、上下水道など民間インフラ整備が間に合わない、との理由だ。米政府はグアム当局と日本政府にも延期を通知した(23日、読売夕刊)との報道もある。

 これまで米国は「米海兵隊普天間飛行場の移設は、海兵8千人のグアム移転と一体である」と主張し「辺野古岬付近での飛行場建設が進まないと14年のグアム移転も難しくなる」と言われた日本政府は日米合意どおりに辺野古岬への移転に回帰し、5月28日の共同声明となった。ところがその僅か2カ月後、グアム移転は延期となり、移転対象だった第1海兵航空団司令部(1800人)も沖縄に残る、との話まで出ては「14年のグアム移転を条件とした辺野古移転計画はいったい何だったのか」との批判は避け難い。実は早くも08年11月5日に当時の米太平洋軍司令官T・キーティング海軍大将は講演で「14年までの日米合意の実施は困難。履行には10年程度を要するだろう」と述べていた。08年9月に表面化した金融危機とその救済策で米財政赤字が急膨張し、さらにイラクからは撤退、アフガニスタンではタリバーン勢力が回復、と戦況も苦しい中、沖縄からグアムへの海兵の移転は優先順位が下がり、延期も無理からぬ形勢と私には思えた。

 だが日本の外務・防衛官僚は「14年の海兵グアム移転計画に変更はない」との米当局者の公式見解にすがり「辺野古移転の日米合意が履行できないと、日米同盟関係の信頼が失われる」と自民、民主の政治家に説き続けた。

 延期となれば、情勢判断の誤りは明白となり、米国、およびそれに従順な日本官僚に対する国民、政治家からの信頼は低下を免れない。

キーティング海軍大将 , グアム移転 , 延期 , 米海兵 , 辺野古岬

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