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ドバイ(1):不動産バブル
投機マネーが造る「砂上の楼閣」
編集部 大鹿靖明
◆日本人より国民所得が4倍のアラブ人
アラブ首長国連邦(UAE)の1人あたり国民所得は、「ローカル」とよばれる生粋の自国民に限ると、1400万円程度と推定される。1人あたり国民所得が350万円程度の日本とは比べものにならないほど裕福だ。
隣のアブダビからわきあがる原油が彼らの生活を一変させた。原油収入が連邦政府はもとよりドバイなど連邦を構成する首長国の財政を支え、税金はない。医療費や教育費は無料だ。人口増が奨励され、「ローカル」が結婚すると、政府は100坪の土地と7万ディルハム(約210万円)のお祝い金をくれる。家の建設資金も約2200万円も無利子で貸してくれる。
◆繁栄のきっかけが同時多発テロと原油高
ドバイはいま空前の不動産ブームにわく。世界中のタワークレーンの4割がこの地に集まり、砂漠に奇抜な外観の高層ビルが猛スピードでできあがる。
2001年の9・11米同時多発テロ事件以来、在米資産の凍結をおそれた周辺産油国のオイルマネーが、中東域内の投資先としてドバイに白羽の矢をたてた。それに原油価格の高騰が弾みをつけた。1バレルあたり20~30ドル程度だったのが一時140ドル台に達し、もてあますほどの資金を有するようになった。自国民にばらまいてもなおあり余る資金は、一部が国家ファンドとして運用され、一部がドバイ投資へ向かった。
UAE全体の発表済みプロジェクトの累計投資額は推定約55兆円あり、このうち83%を建設関連が占める。1年間に発注される金額は推定約5兆円に達し、これは日本政府の年間の公共事業費(08年度約6兆7000億円)の7割強に相当する。
◆バブル崩壊はあり得ない
「中東最大の民間不動産開発会社」を自称するダマックは、これまでに世界116カ国の富裕層ら1万8000人にドバイの不動産を売ってきた。60%強が投資目的で、居住目的の購入者は4割に満たない。世界中の人たちが買うなかで、日本人の購入者は2、3人しかいない。そのせいか「過熱しすぎだ」「バブルが崩壊するのではないか」とたずねる記者の悲観的な見方を、英国出身のピーター・リドックCEOはせせら笑った。
「市場は持続的に成長しており、回転も非常にいい。毎月3万人もの外国人の労働許可がおり、そのうちの8000~9000人が住宅を必要とします。2012年までは需要が供給を上回り続けるでしょう」
ドバイに来ると、新興国の登場によって地球の地軸が底流で変わりつつあることを実感する。この地からは国際経済の主役だった米国と日本の姿が見えない。ドバイの不動産バブルはいつかしぼむかもしれない。しかし、世界経済の主役の顔ぶれは着実に変わっていくだろう。
◆日本人より国民所得が4倍のアラブ人
アラブ首長国連邦(UAE)の1人あたり国民所得は、「ローカル」とよばれる生粋の自国民に限ると、1400万円程度と推定される。1人あたり国民所得が350万円程度の日本とは比べものにならないほど裕福だ。
隣のアブダビからわきあがる原油が彼らの生活を一変させた。原油収入が連邦政府はもとよりドバイなど連邦を構成する首長国の財政を支え、税金はない。医療費や教育費は無料だ。人口増が奨励され、「ローカル」が結婚すると、政府は100坪の土地と7万ディルハム(約210万円)のお祝い金をくれる。家の建設資金も約2200万円も無利子で貸してくれる。
◆繁栄のきっかけが同時多発テロと原油高
ドバイはいま空前の不動産ブームにわく。世界中のタワークレーンの4割がこの地に集まり、砂漠に奇抜な外観の高層ビルが猛スピードでできあがる。
2001年の9・11米同時多発テロ事件以来、在米資産の凍結をおそれた周辺産油国のオイルマネーが、中東域内の投資先としてドバイに白羽の矢をたてた。それに原油価格の高騰が弾みをつけた。1バレルあたり20~30ドル程度だったのが一時140ドル台に達し、もてあますほどの資金を有するようになった。自国民にばらまいてもなおあり余る資金は、一部が国家ファンドとして運用され、一部がドバイ投資へ向かった。
UAE全体の発表済みプロジェクトの累計投資額は推定約55兆円あり、このうち83%を建設関連が占める。1年間に発注される金額は推定約5兆円に達し、これは日本政府の年間の公共事業費(08年度約6兆7000億円)の7割強に相当する。
◆バブル崩壊はあり得ない
「中東最大の民間不動産開発会社」を自称するダマックは、これまでに世界116カ国の富裕層ら1万8000人にドバイの不動産を売ってきた。60%強が投資目的で、居住目的の購入者は4割に満たない。世界中の人たちが買うなかで、日本人の購入者は2、3人しかいない。そのせいか「過熱しすぎだ」「バブルが崩壊するのではないか」とたずねる記者の悲観的な見方を、英国出身のピーター・リドックCEOはせせら笑った。
「市場は持続的に成長しており、回転も非常にいい。毎月3万人もの外国人の労働許可がおり、そのうちの8000~9000人が住宅を必要とします。2012年までは需要が供給を上回り続けるでしょう」
ドバイに来ると、新興国の登場によって地球の地軸が底流で変わりつつあることを実感する。この地からは国際経済の主役だった米国と日本の姿が見えない。ドバイの不動産バブルはいつかしぼむかもしれない。しかし、世界経済の主役の顔ぶれは着実に変わっていくだろう。

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