2008年08月31日

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母をまだ捨てられない

解けない呪縛に苦しむアラフォーの娘たち

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◆離れたい一心で結婚

東京都在住のミサトさん(49)は、40歳前まで母をふりはらえなかった。

進路を決める高3の時、両親が勧めたのは、薬学部進学。自分におぶさるつもりなんだと気がつき、卒業まで勉強しなかった。母の希望で、しぶしぶ受けた名門女子大学のみに合格した。

母から離れたい一心で26歳で結婚。しかし結婚生活は4年で破綻。それを機に、実家とは音信を絶った。

その間も、母とのことを繰り返し自問した。

----母は勉強ができたから自分を可愛がっただけなのか。

答えはなかった。

◆呆けてくれて解放

絵本作家佐野洋子さん(70)は著書『シズコさん』で、2年前に93歳で亡くなった母との日々を、ユーモアを交えて淡々と綴った。

遊びに行くのも許されず、雑用をさせられた少女時代。頑張って合格したのに、「受けるだけって云ったでしょ」と突き放された中学受験。自分のイラストが採用されたデパートのポスターを喜んでもらおうと見せて、無視された社会人1年目。

でも捨てられなかった。

晩年、母は認知症になり、2人は「ごめんなさい」と言い合った。そこで初めて解き放たれた気がした。

〈母さん、呆けてくれて、ありがとう。神様、母さんを呆けさせてくれてありがとう〉

◆共に泣いてほしかった

東京近郊に住む主婦ナオコさん(41)は、母に捨てられた感覚を引きずってきた。

「ママはあたしを本当は愛してないんじゃないか」

母は、1歳の娘を姑に託して海外留学に行く夫を追った。

爪を伸ばして女優のように着飾った母は、セットした髪や顔に娘が触ることを許さなかった。

29歳で結婚した夫は、母性のようなおおらかさを持っていた。自分の家族がほしいと思った。

今年、初めて妊娠したが、3月に9週で流産した。病院に来た母は「元気出していこうよ」と場違いな明るさで励ました。

一緒に泣いてほしかったのに......。

◆自分の人生への後悔

40歳前後の女性たちの母は、戦前や戦中生まれだ。

自立できなかった。夫を愛せなかった。自分の人生への後悔が澱のように残っている。「だから、あなたが」と、娘の人生に自分を投影させる。逆に恵まれた時代に生きる娘に嫉妬する母もいる。

愛してくれているんだろう。でも、お母さん、お願いだからもう放っておいて。

アラフォーの娘たちが、心の中で悲鳴を上げている。






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