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姜尚中の旅漱石に学ぶ「悩む力」
「躁の時代」から「鬱の時代」へ
編集部 常井健一
◆限定版、ケータイ小説でも根強い人気
「是からは日本も段々発展するでしょう」
「亡びるね」
夏目漱石の小説『三四郎』には主人公と先生のこんなやりとりがある。その独特の余韻は発表から100年を迎えた今でもなお残っており、日増しに反響は大きくなっているようだ。
「漱石」は新しい。姜尚中東大大学院教授が漱石をテキストに現代社会の課題を論じた『悩む力』(集英社新書)のヒットがそれを裏付けている。発行部数は45万部を突破。全国の書店で平積みされている。
◆「欝の時代」は漱石の出番
なぜ、いま、漱石なのか。姜氏は語る。「大量生産、大量消費の時代には鬱とか、悩んでいる人間は(落伍者の)烙印を押されました。それが今、生態系の限界に直面して、『一億総悩み』の時代に突入しています。漱石は日本の行く末に早くから悩み、虚構として文学に描きつづけていました。それから100年たって、現実が漱石に近づいたのです」
◆世界中で翻訳される漱石の本
「アジアの膨張もいつか終わりが来るでしょう。日本が先取りした近代の影の部分を共有できないか。漱石で日本が国際社会に貢献できるはずです」
日本のソフトパワーの切り札は漱石なのかもしれない。

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