2008年10月31日

本田直之「非レバレッジ投資術」

世界の景気がわかる情報収集法

編集部 常井健一


◆「バブル」で嫌な予感

少ない労力で大きな成果を得る「レバレッジ仕事術」。その提唱者は暴落前、株を売り抜けていた。金ではなく、自分にレバレッジをかけていた。 個人で持っていた株の大半を、ワンクリックで売った。その数日後、投資物件を売り、ファンドへの出資金も引き揚げた。

昨年8月のこと。マーケットが「まだ大丈夫」と浮かれている時だった。東京とハワイを拠点にベンチャー企業への投資事業を手掛ける本田直之さんは金融のプロたちから口をそろえて、こう言われた。

「まだまだ上がるのに......」

世界中を敵に回したか......。だが、本田さんには「確信」があった。

「早晩、大暴落が来る」

そして、「一斉売却」の約1年後、「100年に一度の恐慌」がやって来た。

本田さんといえば、「レバレッジ(てこの原理)」をキーワードに、これまでビジネス本9冊を出版し、学習熱の高い若手サラリーマンに受けた。

しかし、「レバレッジ」という言葉そのものは、実力以上にお金を調達して、リターンを極大化する機関投資家の手法。つまり、今回の金融危機の「元凶」ともされた。本田さんは言う。

「お金のレバレッジとは借金です。私は一切、手を出そうとも思わなかった。レバレッジ勉強法を実践している人なら、自分の判断で金融危機を乗り越えられたかもしれない」

本田さんは3年前から、かつてのバブル景気が気になり始めた。でも、本屋に平積みされているのは、「いざなぎ超え」に乗って、投資や消費を煽るような本ばかり。家に帰り、ネットで、「バブル」と打ち込んだ。検索に引っ掛かった中から、理論ではなく、実体験が描かれたものだけを選び、片っ端から注文し、読みあさった。

本田さんが「景気予測」をするのには、読書が欠かせない。実際、今回の金融危機の確信は「バブル本」が引き金になった。

その読書量は、1年で400冊以上。読む本は2系統に分けている。

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