2008年11月16日

名演説を生んだ20代

世界中が感動したオバマのスピーチ

編集部 斎藤真紀子


◆世界中が感動した勝利宣言

「誰もが不可能だと思っていた(私の)勝利が、実現した。なぜなら、不可能をすべて可能にするのが、建国の精神だから。今、私たちが抱える難題の数々も必ずやよい方に向かう。だから、かつてのアメリカのように党派やすべての違いを乗り越えて、ひとつになって取り組もう」

大統領選を制したオバマ次期大統領の勝利宣言に、多くのアメリカ人が涙で頬をぬらした。「非アメリカ人」の筆者でさえ、涙がこみあげた。

◆歴代の名演説に匹敵

「レーガン、ケネディ、ルーズベルトなどの歴代大統領の名スピーチと比べても、まったく引けをとらない優れた話し手」と、クリントン元大統領のチーフ・スピーチライター、デービッド・クスネットさんも舌を巻く。

時に「歴史的」と形容される名演説を書いているのは、実は26~30歳の3人のスピーチライターたちだ。責任者のジョン・ファブローさんは26歳(今年1月時点)。大学卒業後、当時大統領候補だったジョン・ケリー氏のもとで選挙活動を手伝い、スピーチライターの経験を積んだ。オバマ側近に引き抜かれ、この3年はスピーチ原稿の作成に関わってきた。

◆野球観戦しながら学ぶ

スピーチライターの仕事とは、「メッセージをわかりやすく、聞きやすい言葉にする役割。終始一貫した内容にする構成力、耳に残るキメゼリフを盛り込むセンスも必要」(クスネット氏)

米メディアによれば、ジョンさんはオバマ氏とレッドソックスの試合を観戦するなど一緒に過ごすなかで、話し方や考え方を、メモを取りながら学んだ。「候補者の言葉で心から発するように文章を紡げることが、優れたスピーチライターの資質」とクスネットさんは指摘する。

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