2009年02月07日

激変の環境をチャンスに繋げる

女性と企業:三井住友銀行

編集部 木村恵子 ライター 角田奈穂子


◆回り道で視野を広げる

工藤禎子さん(44)は、世界各地の大規模開発に資金を貸し付ける「プロジェクトファイナンス」を、2006年まで計10年以上担当した。

希望して3年目に国際業務部へ。面白い仕事をやりたい一心で勉強した。

プロジェクトファイナンスは隣のグループの担当だった。自分もかかわりたいと、上司に言い続け、希望をかなえた。

「女性だからこそ、組織で働くには専門性が大事。これを私の強みにしたい」

そう思ったのに5年後、国際審査部への異動が決まり、翌年には香港駐在へ。専門性が身につかないという焦りが襲ってきた。

でも、この「回り道」が視野を広げた。

「いろんな部署を経験したからこそ、管理職になったいまも、自信をもって指示を出せる」
組織で長く働けば、希望通りにならないことの方がむしろ多い。でもそこから何を得るかで、その後の働き方が変わる。

◆誰かが見てくれている

大阪の天六法人営業部で与信グループ長を務める田口紀子さん(38)は、「自分は計算機か」と思った経験がある。

当時審査部勤務だった田口さんは、「審査企画担当」という新たな任務を与えられ、期待を膨らませた。だが待っていたのは、2兆円の不良債権を2年間で半分にするため、ひたすら計算する仕事。不良債権処理データを集計し、常にチェックしなければならなかった。

だが仕事を進めるうちに、考え方を変えた。せっかく多数のデータに触れられるのだから、同僚のどんな質問にも答えられる「字引」のような存在になろう。

仕事ぶりは誰かが見ていてくれる。不良債権処理が一段落すると、念願の法人審査の担当へ。その後、法人営業部のグループ長に30代で抜擢された。

◆仕事の内容や質も変化

「出産して総合職として働くのは未知数だった」

不動産ファイナンス営業部の神尊陽子さん(35)は、妊娠した時はどんな反応をされるか不安だった。だが、「辞めるの?」と誰も聞かない。「いつ休むの?」という反応に安心した。

銀行の仕事の内容や質の変化を感じる。5年ほど前まで法人営業部にいたときは、数値目標の達成のためには残業も厭わず、長時間働いた。出産を考えると、仕事の壁を感じたこともあった。

でもいま何より重要なのは、情報を早くキャッチして、コミュニケーションを取りながら新しい状況に柔軟に対応すること。これなら子育てをする女性もことさら壁を感じることはない。

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