2009年02月15日

早期退職も残るも絶望

相次ぐ正社員の削減

20090223_s_1.jpg 編集部 福田伸生、加藤勇介


◆巧妙に誘導された退職

1月初め、先月まで勤めた日興コーディアル証券から、離職票が郵送されてきた。離職理由欄に、「労働者の自己都合」を示すチェックがあった。

受取人のA氏は40代。昨年末、20年以上勤めた日興を退社した。募集された希望退職に応じたのである。

自己都合と決めつけられては納得できない。職安へ足を運んだ。

「親会社に指示された人減らしで、実態は雇用整理。退職理由を会社都合に改めてほしい」

訴えたものの、応対した職員は取り付く島がなかった。

今振り返ると、社員たちは早期退職へ巧妙に誘導されたように思える。リーマンショックの直後の10月、一部社員の仕事が急に減らされた。40、50代の社員が突然、未経験の営業に回された。希望退職の締め切り直前に、時期外れの大規模な異動が内示された。

◆辞めるなら最後の好機か

むろん、損得勘定もあった。40代社員の大半に、3800万円程度の退職一時金が提示された。渋るシティ側を日興生え抜きの経営陣が説得した、と聞いた。辞めるなら最後の好機、と思った。

一方で、経済危機の最中に失業した厳しさと向き合う。当面、金融業界で仕事は見つからないだろう。住宅ローンも残っている。

◆残っても降格だから

C子さんは40代。上司から声を掛けられ、会議室に入ると、「セカンドキャリア支援プログラム」と題した転職案内を突き付けられた。割り増し退職金は1200万円と記されていた。

「これは退職勧告ですか?」

「そうじゃない。この会社以外で自分を生かす道を考えてほしい」

ついに来たか、でもなぜ私が......。整理しきれない思いを抱えて席に戻ると、上司からメールが届いていた。

会社に残っても、来年の人事評価は降格だから」

◆年明けから専業主婦

会社を辞めるか留まるか。

2カ月近く悩み、最後は辞表を書いた。

年明けから専業主婦だ。生活にメリハリがなく、献立ばかり考えている。英語の通信教育を始めた。地域のバドミントンサークルに行く回数が増えた。

だが、「ただいま」と家に帰ってきた息子に、「お帰り」と言う時には充実も感じる。

辞めて良かったと思うし、思いたいですね」

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